第六十四話 電気自動車

電気オンリーで走る車の開発が進んでいます。慶応大学、その他30社でそういう共同研究がなされ、時速370kmを達成したとか。時速160kmに達するのに約7秒、フェラーリでさえ9.2秒かかるとか。

  もう時代はそこまで来ています。従来のディ
  ーゼルエンジンに代わって、電気モーター
  で走るヨットも近い。

  電気で走る自動車が普及しますと、当然な
  がら高性能バッテリー等が出てくる。そうなり
  ますと、ヨットにしても、そういうバッテリーが
  搭載されていきますから、時代は電気という
  事になっていく。

  ますます電気の時代になっていく。問題が起
  これば、それに対応する機器が開発されて

いきます。人間はすごいですね。トラブルが進化を促す。そういう意味では問題というのは、進化の原動力という事になります。便利さを求める裏側には、問題という意味が潜む。あそこまで早く行ければ便利というのは、見方を変えれば、時間がかかりすぎるという事でもあります。

ヨットにおける問題点というのは何でしょうか?マリーナからの出し入れ?GPSとオートパイロットと電気モーターを連動して、コンピューターで簡単に出し入れができるようになるかもしれません。どんなにでかいヨットでも、どんな風が吹いていようとも。

また、どんなにでかいヨットでもひとりで簡単に操船できるようになる。ナビゲーションももっと簡単になる。人は不快があると、何とかして快適にしようとします。夜間航行だって、モニターに明るい画面が前方を映し出して、簡単に夜間航行もできるようになる。

セールだって、生地では無く、折りたたみ式のプラスチック製とか?ボタンひとつで展開されたり、収納したり。操作も全てボタンひとつになる。そうなったら、練習しなくても、誰でもヨットに乗れる。
便利極まりない。

しかし、そうなると、人間は不思議なもので、必ずその反対の事も強調されていく。便利な世界に、敢て、不便を楽しもうなんてことです。それは便利では人間の感性が満足しないからです。それは人間の持つ遊び心です。ロープウェイで山の頂上に行けるのに、敢て、歩いて上る事を選ぶ。
どんどん便利になれば良い。そうなれば、反面、ヨット本来の風をセールに受けて走るという事が強調される。それも、どうやって調整するかという人間本来の腕前を楽しんだり、自然の中で遊んだり、そういう事が強調される。便利になればなる程、感性は違う何かを求める。

発達した社会を望みながら、同時に、その反対側の世界を楽しみとして求める。ヨットの未来はきっと明るい。ますます便利になりつつ、自然を求める。

最近、あるサンプルを入手しました。下の写真ですが、これは擬似木材です。プラスチック製です。木材に関しては、資源の問題もありますので、擬似木材という物が注目されてくると思いますが、
写真のように木目があり、比重も木材と同じに造ってあります。現物見て、プラスティックとは
  気付かないでしょうね。それも木材のように
  カットしたりできます。
  こんなプラスティック製擬似木材ならメイン
  テナンスも簡単になるかもしれません。
  これからは、きっとこういうのが多用されて
  くるかもしれません。本物が良いに決まって
  いますが、自然保護の為。

  クラシックに見えて、実はハイテク。

  便利な社会と感性を満足させる自然の中で
  の遊びが共存する。



社会生活を営むに便利は欠かせません。しかし、人間はそれだけでは満足できない。それが遊びの世界。遊びの世界は便利では無く、感性への刺激を求める。ですから、便利になればなる程、遊びが必要になる。それも自然の遊びが。それがヨットです。  

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