第九十八話 アレリオン28オーナー紹介
オーナーの許可を得まして、アレリオン28のオーナーを御紹介いたします。それまでは25フィートのヨットに乗られていましたが、シングルハンドが主で、もっと使いやすいヨットという事で、アレリオン28をご採用いただきました。 この艇にはオーナーのご要望で、パルピット を設置しています。ご家族、お子様がまだ小 さい事もあります。 納艇後、約1年あまりが経過し、シングルハ ンドでのセーリングを堪能されています。 ところが、こういうヨットが来ますと、周りが ほっとかないもので、レースに一緒に出ま しょうとかなります。 そこで、レースに参加、お話によりますと、上 りは良い。上り角度も良いし。でも、ダウンウ ィンドで強風の時は良いんだが、微風になる と、他のヨットがスピンとか展開します。そうな ると、追い抜かれてしまいます。 誰でも覚えがあると思いますが、レースなんて、そんなに順位なんか気にしないと思っても、実際、抜かれたりしますと、クソッ、とか思ってしまいますね。逆に、他の艇を抜いたりしますと、気持ちも良い。どうでも良いと思ったレースも、参加すると、やはり何らかの心の動きがあるものです。皆さん、覚えがあるのではないでしょうか? そこで、ジェネカーを造ろう。そういう話に進みます。ただ、レースは滅多には出ないので、通常はシングルセーリングなので、通常時に使えるジェネカーという事、レースではもっとという事になるかもしれませんが、でも、キリが無いし、それに普段のセーリング重視という事です。レースでも、これまでよりはベターである事は間違いありませんし。 そこで、ジェネカーのファーリングシステム(ROLLGEN)を採用、この度、セーリングをご一緒してきました。オーナーの主旨に従い、セールはあまり大きく無く、取り扱いのし易いものとして、ノースセールにお願いし、ちょっと控えめなセールにしています。 約80度ぐらいまで上れます。さすがにセールエリアもジェノアよりでかいので、微風でもそこそこ走るし、シングルだと緊張感も少しあり、退屈な微風のダウンウィンドが楽しめます。 但し、ファーリングと言えど、ジャイブは通常セールと同じですから、シングルでやるとなると、それなりの難しさがありますので、シングルの時は、ジャイブ前に一旦巻き取って、ジャイブしてメインをかえし、そしてまた展開する。そういう段取りに充分慣れて、その後に考えても良いかと思います。 巻いたり、出したり、それなりの要領を得ること、スムースに出来るようになる事が、何にしても必要ですね。 シングルでは、ティラーにオートパイロットをかけて、その都度ボタンを押して走る角度を調整。しかし、その後、アレリオンにはショックコードがありますので、オーパイを使わずに、ショックコードでティラーを固定、そうしますと、ちょこっとした舵修正でも、ティラー操作をちょこっとやれば良い。 シングルで、全体をどうマネージメントしていくか、徐々に、工夫しながら育てていきます。 シートをどっちのウィンチにとって、どっちから 操作した方がやり易いか?いろんなトライです。 何かひとつ加えれば面白さは増える。でも、 同時に面倒くささも増える?そう言っては、面 白さを得る事はできません。便利と面白さは 別ものですから。 明日も乗りたいといわれていましたが、残念な がら、明日は仕事。 オーナー、シングルハンドで今後もセーリング。 ところが、最近ですが、家族に異変? 奥様が乗られる時は穏やかな時、でも、今度 もっと吹いた時に乗りたいとか? そう言えば、他のアレリオンのオーナーからも アレリオンにしてから、夫婦で乗れるようにな ったと言われていました。 夫婦円満セーリング!! 左の写真、ティラーはショックコードで固定して います。ジェネカーのトリミングをしながら、 時折、必要に応じて舵調整。手が簡単に届き ますから。 ところで、シングルの場合ですが、ダウンウィンド時に、あまり落として走りますと、当然ながら、メインセールも出ています。そして風位の変わり目にも近いわけで、その状態で走りますと、ちょっとした変化、風の変化や波の変化によって、ワイルドジャイブが怖い。そのうえシングルですから、セールトリミングもあるし、舵にも注意。これをひとりで全部やるのはかなり難しくなります。そこで、アビーム寄りのセーリングを重視して、シングルの時はあまり落とさないで走る。その方が、ワイルドジャイブの危険性をなくして、楽になります。レースの時の仲間と一緒の時とは事情が違う。それで、セールも、そういうところを考慮しています。 |