第十八話 新艇艤装

新艇を艤装する場合、造船所から送られてきたものを、ただ組み立てれば良いという単純なものではありません。100%完璧というのは、まず無いと言って良いぐらい、何らかの調整なりが必要になります。

昔は、サイドステーが長すぎたとか、まあ、短すぎる経験はありませんが、たまに、長すぎて、ターンバックルを締め切っても、まだ長いという事もありました。最近はそういう経験はありませんが。
何かあって当たり前、無くて幸いというところでしょうか。

今回のアレリオン33ですが、正直申しまして、オーダーした計器とは違うディスプレーが着いておりました。これは、恥ずかしながら、オーナーからご指摘を受けるまで気が付かなかったというお粗末さでした。オーナーには、大変、申し訳無く、即刻の対応を造船所と協議したいと思っています。

  アレリオン33は、とりあえずはセットできま
  した。これから、あっちこっち調整したりし
  ますが、ひとつ、ビルジポンプのオートマチ
  ックですが、ある程度水が入った時点で、
  フロートスイッチが入り、ポンプが回って、
  排水し、排水後は自動停止。そういうシステ
  ムですが、今回のは、オートスイッチを入れ
  ますと、ポンプが回りっぱなしになっていま
  した。

  これは、フロートスイッチの設置位置が低
  すぎた事が原因で、ビルジポンプは完全に
  空にはできません。ホース内に残った水の
  残りが、ポンプ停止時に戻ってきます。

すると、またポンプが作動してしまう。最近の雨続きで、アレリオンはマストがデッキが貫通していますので、マスト内を通じて、雨が入ってきます。それがビルジ溜まりにたまるわけです。フロートスイッチの設置位置を少し高くして解決。この少し高くも、ポンプで水を抜けきるギリギリの位置にしますと、今度は、ヨットが揺れただけでもポンプが作動しますので、これではバッテリーがもちません。それで、少し余裕があるぐらいの位置に付けなおしました。

その他、もうひとつありました。トイレの天井ハッチのボルト1本から、水漏れ。これは今日、天気が良かったので、シリコンの打ち直し。いろいろあります。

その他、エンジンはOK、照明類はOK,航海灯も済み、トイレ作動OK、ジブブーム作動OK・・・・・・。

時々、ジブセールをトップまで上げて、ファーリングする時、マストの出口から、セールのピークまでの距離が長く、ジブハリヤードがマストから外に結構長く出ているのがあります。そういう場合、セールを巻いたりする時、ジブハリヤードが連れまわリして、フォアステーに巻きつくヨットがありますが、そういう場合は、ハリヤードとフォアステーが並行にならないように、ストレーナーをハリヤード
出口下に設置して、ハリヤードをフォアステーに対して角度をつけて、連れまわりしないようにする必要があります。今回の場合は、そういう事もありませんでした。

さらに、ファーラーのドラムロープのリード角度とか、それが悪いと、ドラムの上とかにロープが巻きつく事もあります。ロープにある程度テンションをかけてセールを出すと比較的良いのですが、そうしないで、ロープを完全フリーにしておきますと、セールを出した途端に、風の力で、勢いよくドラムが回り、角度が悪いと、ロープがドラム上に行ったりします。これも要注意です。

まあ、いろいろあるものです。そんなこんなを見つけては調整したりして、さらに、セーリングしては
調整して、そういのをシェークダウンと言ってます。ステイの調整は、乗りながら、ステイが伸びたりもしますから、時間もかかります。でも、そういう調整以外の不具合は、できるだけ早期に発見して処理します。

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