第二十四話 それがヨーロッパ

昨日、スウェーデンのアルコナ社にメールを入れまして、夕方メールチェックをしてましたら、返事が来てました。”只今バケーション中で、会社には8月15日まで戻らない。メールは時々はチェックするし、緊急なら電話くれ” と電話番号が書かれていました。これ読んだ途端に、ビーチで寝そべるおじさんの姿が浮かんでしまいました。

そう言えば、この間、会社がバケーションに入ると連絡がありました。8月15日なら、今からでも
1か月以上あるな〜。それでも、会社がちゃんと回っているのが、不思議? これいかに?ヨーロッパの会社は大抵はこうです。

こういう生活習慣がもたらすスタイルはどうなるでしょうか? 日本とは全然違って当たり前です。
普段はたまにしか使わないにしても、こうやって一か月ぐらいヨットで遊べるなら、スタイルが違うのは当たり前。だから、生活空間が必要になる。家族で過ごすヨットです。

日本人はこんな習慣はありません。別荘というのが、あっちこっちありますが、それも閑古鳥。こんなスタイルはヨーロッパスタイルなのではないか?1か月あれば、別荘も活きるかも。ヨットのキャビンも活きるかも?

日本人は細かい部分に長けている。繊細さに長けている。大陸に住む人間とは違う感覚があります。だから、ヨットは繊細に乗りましょう。セーリングの妙を遊びましょう。さっと来て、さっと遊んで、さっと帰る。ヨーロッパの一般的スタイルとは違う方法です。

距離感の違いという事を前にかきましたが、多分時間感覚も違うのだろうと思います。それも距離感と関係ありそうな。それでも、ヨーロッパ人は幸せかどうかは、解りません。ヨーロッパ人のマネしても楽しいかどうかは解りません。やっぱり、自分に合うスタイルが一番という事になります。

さっとヨットで遊んで、さっとゴルフに行って、さっと温泉に行って、何でもさっとやって、その代わりいろんな事をやっても良いかなと思います。仕事にも情熱を持つのが日本人です。かつて、エコノミックアニマルと揶揄された事がありますが、これは欧米人の思うアニマルとはちょっとニュアンスが事なるのではないか? 何にでも一生懸命なのです。

ヨーロッパと日本は違う。ならば、同じヨットで合うはずが無い。

そのヨーロッパでもレースを好む方もおられ、デイセーリングを好む方もおられる。どちらもクルージング艇と比較するならマイナーであります。

しかし、実際に最も多いのはデイセーリングではなかろうか? 日常を思うなら、そうなって当然ではなかろうか? でも、ヨーロッパでは、毎年、1か月の休みがあって、その時ばかりは、家族で過ごすキャビンが必要と思うのではなかろうか? それが一般の考え方なのではなかろうか?

日本でも同じで、通常はデイセーリングが多い使い方。そして一か月の休みは無い。飛び飛びの一週間かもしれません。実は、日本も年間トータルの休みは多い。でも、まとまっていなくて、ばらばらの休みですね。だから、それをどう過ごすか?

連続で一週間もヨットに乗るならキャビンはほしい。でも、最近のクルージング艇のキャビンはそれ以上にでかいと感じてしまいます。そこまで必要か?と思ってしまう。でも、ヨーロッパ人には必要なんでしょうね。セーリング性能を落としてまででかくするキャビンは必要か否か?それに対抗するのが、デイセーラーなんでしょうね。

一方、アメリカは会社ごと一か月も休むという事は無いようですが、各個人が休暇を取るというスタイルのようです。まあ、結果は一緒ですね。

ヨットの住む人がたくさん居ますが、それが普通というわけではありません。やはり一般的なのは、
この長期休暇の使い方にあるのかな、と思います。その連続する長期休暇が毎年あるかないか
という違いかな?

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