第三十九話 もうひとつのデイセーラー

デイセーラーがサイズがでかくなって、プライバシーキャビンを持つという方向がありますが、もうひとつ別の方向は、さらにハイパフォーマンスを目指すです。こちらはもっとスポーツ性を高めたハイパフォーマンス+とでも言いましょうか? 人はいつの時代にも、より速くを求めていきます。それがアレリオン33Sです。

ただ、ヨーロッパあたりでは、さらにレーサーの如きデイセーラーが出てきています。カーボンを使って、さらに軽く、水線長もできるだけ長く。でも、セルフタッキングジブとメインです。セールもレーサーのカーボンセールを使ったりします。これらは、デイセーラーでありながら、ワンデザインレーサーとしてのコンセプトも強調されています。

どこまで追い求めるかは、各個人次第ですが、レーシングヨットをシングルで乗れるという魅力もありますね。ただ、キャビンはさらにシンプルになりますが。完全スポーツとも言えます。

ヨーロッパ、とくにイタリア当たりでの出現が多くみられます。イタリア人というのは、スピードが好きなんでしょうね。そう言えば、余談ですが、車で空港まで送ってもらった時、平均時速180Kは出てました。いくらアウトバーンとは言え、日本の高速道路とは違う一般道のような箇所もあります。

 MD33です。

 確かに速そう。

まあ、アマチュアセーラーとして、趣味として、どこまで求めるかですね。このヨット33フィートでありながら排水量は2t しかありません。明らかに、アレリオン33Sより速いでしょう。まるでミズスマシのように走りそうです。

でも、人間の面白いところは、いろんなフィーリングを感知してしまう事です。スピードに驚嘆しながらも、同時にティラーを持つ手に感じ、体に感じ、いろいろ動きや感触を感じます。セーリングは競争で無い限り、フィーリングのスポーツだと思います。

それでアレリオン33Sはどんな感じか? どっしりした安定感を感じます。重いという意味ではありません。そして滑らかさです。余裕さえ感じます。私見ですが。レーサーではありません。あくまでスポーツヨットを目指しています。それはスピードのみならず、いろんなフィーリングの追求でもあります。

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