第二十九話 ノースセール USA

ノースセールのUSAのホームページを見ますと、ファーリング用ジェネカーとしてのセールがありました。3種類が用意されています。



C0が最も浅く、より上れるセールで、C2が最も深く、より下れる。いずれもファーリング用とされます。どれが良いかはお好みでしょうが、真ん中のC1あたりのセールで、スピン生地を使ったセール
というところかなと思います。

ただ、こういうセールはレースルールには適合しないとか。そんな事はどうでも良い、個人的な面白さの追求という事では、十分ではなかろうかと思います。セールメーカーはレースとか性能とかの前提があります。これらのセールのチャートを見ても、アビームから上の上りに適合としか書かれていません。しかし、実際は、スピードは落ちるかもしれないが、後ろにも使えるはずです。
実際、通常のジェネカーでも、ダウンウィンド用というセールでも、思った以上に上れます。

日本ではこれらのジェネカーファーラーはあまり多くは無いらしい。クルーが居るなら袋状のスナッファーを使う。しかし、シングルハンドや、或いはクルーが居るにしても、本気のレースとかでは無く、面白さ、気軽さ、という意味からも、これからは、こういうセールは面白いと思います。

強風ならどんなヨットでも走る。メインとジェノアでも良い。でも、微軽風になると、途端に退屈感を覚えます。そんな時に、このファーリングジェネカーを展開できれば、きっと面白いセーリングができる。そうやって初めて、上りから下りまでの、オールラウンドのセーリングを楽しめるのではないでしょうか?それで、エンジンを駆けようという気にならなくて済む。

これからは、本気レース以外の人達には、ジェネカーファーリングで遊んで頂きたいと思います。
まだまだ試行錯誤が必要かもしれませんが、概要としてはこんなところかな、と思います。ノースセールのアメリカでは既にこういうセールが紹介されているという事は、向では、そこそこ広がってきているのかなと思います。日本でも、セーリングを遊ぶにおいて、今後はもっと採用されてしかるべき。

ところが、問題はひとつ。バウポールをどうするか? これがいつも問題になります。それぞれのヨットの形状の違いから、これならどれでも設置できるという事になりません。今のところ、いくつかの既製品もありますが、どれにでもというわけにはいきません。

ここは、ローカルのこういう作業をしてくれる方々とオーナーで考えて頂く必要があります。新艇なら、造船所に相談できるかもしれませんが?

それで、これからは、小さなジブと大きなメイン、それにファーリングジェネカーを揃えたいと思います。シングルの方、ショートハンドの方、お気軽セーリングの方、個人的面白さの追求の方、そういう方々へ。

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