第四十話 セール
メインセールは万能セール。上りから下りまで、微風でも強風でも、そのまま使われる。ブームがあるからです。それと同じ考えで、ジブにもブームを作った。これで、ジブもメインも万能になりました。ところが、いかんせん、自然は気まぐれで、微風もある。微風になると、これらメインとジブだけでは満足できなくなります。微風なんだから仕方ないとは思えない。 諦められない人が、もっと軽いセールで、微風でも開いてくれるセールを考える。それで、大きなライトジェノアを上げる。でも、ファーリングが当たり前の今日、セールを変えたりするのも大変な作業と感じるし、そこまでするぐらいならエンジンを駆ける。でも、せっかくのセーリングが終わってしまう。 そこで、何とかしたいので、リーチング用のセールを考える。ジェネカーと呼ぼうが、何と呼ぼうが構わないが、アビームを中心に上りから下りまでを考える。微風用ですから、スピンクロスで作る。 超ライトジェノアと呼んでも良い。アペアレント45度から135度くらいまで走れれば理想的。それを誰でもシングルでできるようにするのが理想的。ですからファーリングを考える。 スピネーカーは、左右対称のポールを使ったセール。もはや使わない。それで一部のクルーを擁するヨットはジェネカーに移行してきた。それでも、経験者が揃わないとなかなか使い切れないので、多くの場合、微風はエンジンとなってきました。でも、それでは、面白味が半減してしまいます。 理想的には、シングルハンドの方が、気軽に上りから下りまでのセーリングを遊べる事。微風でも楽しめる事。シングルで使えるなら、だれもが使える。強風なら、必要無いし、リーフする方向でもありますが、微風になりますと、退屈と闘う事になりかねない。それでも、漂う感じを遊べるなら良いのですが、そうもいきません。 それでファーリングの超ライトジェノア、ジェネカー、その両方のジェノカー(造語)が登場します。このファーリングセールが完成の域に達すれば、我々一般のセーリングにおいては画期的になるのではないかと思います。ここまでくれば、我々アマチュアが遊ぶという面においては、十分ではないかと思います。それで、2012年の課題は、これだ、と勝手に考えております。 ファーリングジェネカーをもっと研究しなければ。そう勝手に考えております。このセールは今後のセーリングの有り様を変えるとも思います。大げさでしょうか?ノースセールUSAではついに、ファーリング用ジェネカーを打ち出しました。という事は、この動きがアメリカでは既に始まったのではないかと想像しています。 考えてみれば、レースルールなんか関係ない、まずは自分達が、面白いセーリングを気軽に堪能できる事が重要です。強風ならば、既存のメインとジブで十分。でも、微風とダウンウィンドは面白くないでは困ります。それをカバーしようとするのがこれです。そうなれれば、セーリングはもっと面白くなる。 ところが、いかんせん問題はバウポールにあります。一部の大型艇ではアンカーローラーが前に突き出して、それを利用できるヨットもありますが、多くの場合はそうでは無いし、ましてパルピットが突き出て、それ以上先にファーリングドラムを設置するアイが必要になる。それもセールを展開して、微風と言えど、大きなセールですから、上に左右に振られるので、ある程度の強度が必要になる。さらに、ヨットはいろんな形状をしていますから、どれでも簡単に設置するという事ができません。 マリーナにビジターで入ってきたヨットですが うまい事作ってありましたので、勝手ながら 写真を撮らせて頂きました。 これはジェネカー用ですが、ファーリング用 ではありませんが、先端上部にアイがあれば OKです。強度を考えて、さゆう2本のパイプ と下からもロープで補強。完璧ですね。 でも、どのヨットでも、なかなかこういうわけ にも行きません。 どこまで強度が必要なのか? これは解り ません。どの程度の風で乗るか、セール面積 はどの程度なのか? 今後建造されるヨットには、こういうポールがオプション設定で作られるかと思います。しかし、新艇は兎も角、既存のヨットに、何かうまいことこういうポールを設置できないか? ジェネカーの問題よりも、こっちの問題の方が大きいかもしれません。 アレリオンオーナーでは、シングル時はメインとジブブーム付きセルフタッキングジブを使って、ダウンウィンドまで走れます。しかし、これとて、微風になりますと、他のヨットよりはベターだと思いますが、ジェネカーセーリング程ではありません。それで、クルーが居る時はジェネカーを使うという具合です。でも、今後は、さらに進んで、シングルでもジェネカーを、というのが願いです。 2012年は、何とかもっと進みたい。シングルハンドでジェネカーをと願ってます。これもポール次第かな?費用もかかる。 クルージング艇はドジャー作ったり、ビミニトップ作ったりされますが、結構な費用がかかります。それでセーリングを楽しみたい方々には、こういうバウポールを作る事を考えても良いのではないでしょうか? まずはそういう気運が高まる事でしょうね。ドジャーはあっという間に、当たり前のような装備になりましたから、バウポールだって、気持ちが高まれば難しい事ではありません。みんなの気持ち次第かな? 2012年は、そういう気運を高める事から始めなければなりませんね。 |