第四十四話 自主独立

TPP問題が世間では話題となりましたが、否、あまりなっていないかな?アメリカが日本市場に襲いかかる? 反対者も多いようですが、政府はいつものように、従う。議論もあまりされないし、第一、内容があまり明らかにされてもいない。沖縄の普天間問題、日米同盟、そういう事を日本人があまりにも重視しすぎて、自らが自主権を放棄しているかのような。

ヨットには関係無い話ですが、でも、この自主独立というのは、重要な事で、自分達の幸福を誰かに頼るのか?という問題です。期待しても良いが、期待を裏切られる事もある事は覚悟する必要がある。

そこで、個人においても、自主独立をしなければなりません。自分の事は自分で考えて、自分で管理して、自分で運営する。他人が良いと言ったから、でも、それで面白いという保証はどこにもありません。知らないなら、学ぶ必要があるし、誰かに従って、面白くなくても文句言える筋合いでは無い。それなら、自分で決めた方が諦めもつく。でも、本当は、全部自分で既に決めてはいるのですが。従うと自分で決めた。だから自己責任です。

ただ、それを意識したら、もっと学んで、客観的に観察して、どうしたら、もっと面白くなるか考えた方が良いのではないでしょうか?そして自主独立のうえで、自分で決める。

誰もあてにしないで、自分だけで、運営する方法。これはシングルハンドですが、これが最も基本的な自主独立の象徴みたいなもの。これで、面白くできるなら、後はどうにでもなる。シングルハンドセーリングは自主独立の最たるものです。

セーリングはレジャーをスポーツに変える。知的スポーツであり、肉体的スポーツでもある。でも、この肉体的スポーツは、やり方によっていろんな程度に設定できます。高齢化社会で、体力も衰えていく中で、それは知性でカバーしよう。どちらかというと、もう若くも無いので、知性6割、7割。知的遊びをしよう。肉体的には楽にできるようにして、でも、頭はフル回転。 ぼけてる暇はありません。

体力は衰えようとも、頭脳と感性を衰えさせては、将来が危うい。それを磨きあげるのがセーリングという行為です。ですから、もっとセーリングを学んで、理屈をこねて、観察して、感じて、そういう知的、感覚的スポーツをライフワークにしたら、それこそ若さを保つ秘訣ではないでしょうか。面白さを感じたら、ワクワクしたら、年齢なんか無関係。自主独立宣言。

最初は解らないから、誰かの意見を参考にしますが、ある程度からは、自分の試行錯誤を主として、その中から生み出す。他人の意見は聞きませんという事では無く、聞いても、自主独立の精神で、自分の中で昇華して決める。

うまくはなりたいが、うまくなったとしても、誰かが表彰してくれるわけじゃなし、あくまで自分の中での出来事ですから、自分で自分のレベルアップの様を確認できれば、それで面白ければ良い。
日本の状態を見るに、ファミリーなんかが主体になる事は無いし、ヨットは我侭で良いんじゃないかと思いますね。でも、たまには家族や仲間を載せてあげます。

シングルで、どんなセーリングをするか? マリーナから出るところから始まって、どこにいくわけじゃ無く、風の状況を見て、どういう具合にセーリングをするか?観察力が無いと、あまり遊べないかもしれません。よく見て、風とどういう具合に遊ぶか? 一定の風速だけが良いと考えると、それも了見が狭い。無風から強風までの様々なバリエーションで、どこまで遊べるか?強風での遊び、微風での遊び、できるなら無風での遊びもあるかもしれません。

それぞれの方々が、自主独立の精神で、遊びを考えるならば、いろいろあるだろうが、面白かったという結論が最後には来るのではないかと思います。面白いというのは、良い風が吹いて快走する事と定義するなら、それは滅多に無い事。それでは、ヨットのほんの一部しか見ていない事になります。いろいろある状態に合わせて、どれだけ面白くできるか?全ては自分次第。自主独立の精神に寄るのではないかと思います。こうしたら面白いんじゃないか、ああしたらと自分で考え、試すという事が面白さを生み出すのではないかと思います。

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