第九十五話 もう一方のデイセーラー

スピードを追い求めたデイセーラーも、もちろん面白いに違いない。しかし、一方では別なヨットもあります。Jクラスという1930年頃に造られたヨットがありますが、そういうデザインのデイセーラー。クラシックで、とっても美しいヨット。

   前後の長いオーバーハング、まさしく
   Jクラスのラインを思わせます。

   シングルハンドで楽に操作ができるように
   なっています。もちろん、水線以下は、
   モダンなデザインですから、セーリング
   性能としても申し分はありません。

   SADRは24.7あります。

こういうヨットになりますと、スピードはもちろんですが、その味わいというのが違いますね。まさしくジェントルマンズボートという感じがします。

長いオーバハングですから、キャビンは狭い。でも、そんなのはどうでも良いと思わせてくれる。そんな圧倒的な美しさがあります。所詮ヨットは遊びですから、どうせやるならば遊び心を一杯に満足させてやった方が良い。

あれもこれもできるという自慢の仕方もあるでしょうが、逆に、これしかできないという自慢もあります。でも、その、これ、が実に素晴らしい。

しかしながら、これらのヨット、前話の超ハイパフォーマンスも含めて、日本ではまだまだ受け入れられる体制が整っているとは言えないとは思います。しかし。問題は、気持ち次第なんです。物理的な問題なら、簡単ではありませんが、気持ちですから、変わる事もあるわけですし、これから、じっくり、いろんなヨットを研究して、デイセーラーの面白さを広げていきたいと思っています。

欧米で広がっているんですから、日本でも広がらないはずが無い。短い休暇や、クルー不足、それでいて、日本では、祝日が非常に多いのが特徴で、飛び飛びの休みが多いんですね。それなら、ビジネスマンだって、こういうヨットが似合います。そう割り切れれば、もっと遊べるのかもしれませんが。

まだまだ、勉強中の段階ですので、具体的に発表する事はできないのですが、、是非、もっとデイセーラーを広げていきたいと思います。

ところで、こういうヨットが出てくるとなりますと、アレリオンやハーバーヨットが、これらに比べると、もっと身近に感じてきます。ほら、もう気持ちが少し変わりました。人の気持ちはそうそう簡単には変わらない?確かに。時間がかかるかもしれません。しかし、パッと一瞬で変わる事もあります。
要は、本当に心から望む事を知る事かと思います。それが、楽しむ最大の秘訣という事になるんでしょうね。

本当はみんな解っている。でも、そこにいろんな場面を想像しては、あれもこれもとなったりします。でも、実際は、あれもこれも不要だったりもします。本当に望む処に合えば、他はたいして重要とは思わなくなるのではないかと思います。

世界には、いろんなヨットがたくさんあります。それぞれが、活躍して、愛用されています。その中で、デイセーラー、高い帆走性能、シングルハンド、気軽さ、そういうテーマで行きたいと考えています。他のテーマは他の業者がたくさん紹介してくれていますから、別にそこに入る必要は無いと思っています。ヨットは最高の大人の遊び、大人のスポーツです。

今日の一曲 ロンカーター Song For You

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