第九十九話 ハイスピードデイセーラー

特徴ですが、もちろん重量が非常に軽い。そして、幅はアレリオンよりさらに狭いです。30フィートで、幅は2.3mぐらいですね。重量は2t ぐらい。アレリオン28で2.5t
ぐらいありますし、レーサーのメルゲス32ですと、1.7t ぐらいしかりません。クルージング艇なら
2倍以上あります。速いか遅いかというのは、セールエリアよりも、この船体重量の影響が大きいようです。

   もちろん、オープントランサム。ハルサイド
   は割と垂直に立ち、ボトムをフラットに。
   何故か、どのヨットもチークデッキが設置
   できる。オプションですが。
   こういうハイスピードボートに、わざわざチ
   ークを張って、重くしなくてもと思うのですが
   多分、そういう雰囲気が好きな方も多い
   んでしょうね。ちょっと違った雰囲気を演出
   します。


   ウィンチは2個。これで全部まかないます。
   コクピット形状はそれぞれ違いますが、
   基本的にはみな同じです。
   
   バウにはちゃんとアンカーロッカーがあった
   りして、やっぱり、レースだけを考えている
   わけじゃないな〜。

   写真はセルフタッキングジブ。ですから、ジ
   ブシートは、1本のシートで両舷からコント
   ロールできます。
マストはカーボンが標準だったり、オプションだったり。バックステーがあるもの、無いもの。セールも標準的なセールからローチが特に広いスクウェアートップのセールもあります。乗り方によって、選択できるようにしている。まあ、全てセールはオプションですが。ですから造り方次第というところでしょうか。 レースするんだったら、カーボン/ケブラー、そこまで求めないならペンテックス。
いろいろ使い方に応じて選択する事ができる。

ハルの建造は、グラスにビニルエステル樹脂か又はエポキシ樹脂、カーボン+エポキシもあります。そして、造り方は最新のバキュームバッグ方式で、樹脂のインフージョン工法を採用、もちろん、サンドイッチ工法です。中には、室内の家具類もサンドイッチ構造にしているのもあります。そして、船体に一体化。軽くて、高い剛性です。

   もちろん、バウスプリットを使って、ジェネ
   カーを展開します。こういう小さなジブを採
   用するにあたっては、ジェネカーをどんどん
   使う前提にあると思います。せめてファー
   リングにするか、或は、クルーが居る時だ
   けでも、ジェネカーは使いたい。

   セーリングを遊ぶキーポイントは微軽風を
   どう走らせる事ができるかではないかと思
   います。強すぎる強風は避けるでしょうから、
   その代わり微軽風でも、スーっと走ってくれ
るようにできるなら、これは俄然面白くなると思います。

その為には、ジェネカーを是非使いたい。ここまでできれば、セーリングは絶対面白いと思います。
シングルの時、クルーが居る時、そういう想定を考えて、艤装も考える。おもちゃのように自由自在に乗り回して、スポーツできれば、実に面白くなると思います。

このハイスピードデイセーラーのデザインの最初は、有名なイタリアのデザイナー、ルカブレンタ氏によるB30が最初ではなかろうかと思います。それで、これに似たデザインが続きます。当然ですが、後発は、もっと速くなります。

ただ、ここに上げたヨットは、超ハイスピードデイセーラーです。誰にでもというわけではありません。キャビンは非常にシンプルです。ベッドも何にも無いのもあります。シンプルながら、ちゃんとあるのもあります。お好みです。もちろん、メインサロンはコクピットです。

今日の一曲 サラ ヴォーン September Song

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