第五十四話  近況報告

デイセーラーがやっと5〜6年前から、ほんの少しづつ売れるようになりました。ほんのであって、まだまだです。存在を知らない方の方が、まだ圧倒的に多いと思います。昔は存在を知る方の中でも、なかなか売れなかったのですが、最近はちょっぴりですが売れるようになってきたという事は、デイセーラーというコンセプトが受け入れられてきたと、長い間続けてきた甲斐があったと内心喜んでおります。

そうこうしている間に、欧米では、いろんなデイセーラーが次々にデビューしてきており、そのマーケットの広がりには驚かされます。それで、日本ではまだまだにも拘わらず、そのレパートリーを増やそうと、いろいろ探してまいりました。

従来のアレリオン、ハーバー、ノルディックフォークとは異なるヨット、同じデイセーラーでも違うヨットをと思い、結果的に、オランダーのイーグルとイタリアのディナミカを取り扱う事になりました。これら二つは、デイセーラーでありながら、全く違うヨットであります。対照的と言っても良いかもしれません。

優雅なセーリングを求めたイーグルと、スピードを求めたディナミカ、好みはいろいろでしょうが、私個人的には、どちらも面白そうです。イタリア語読みではディナミカ、英語圏の人はダイナミカというでしょう。どちらもまだ若い企業ですが、世界に目を向けています。

これらデイセーラー群と唯一系統が異なるのがスウェーデンのアルコナです。これは充実したキャビンを持っており、クルージングに時々ロングも含めて行かれる方、そして、日常にはデイセーリングを楽しんで頂きたいヨットです。

全てに共通するのは、少量生産のヨットです。いずれも、良いヨットを建造して、世に出したいと願っている造船所で、そういう誇りも感じます。日本市場では、欧米のようにそうたくさんは売れませんが、でも、造船所も少量生産なので丁度良い。量産艇の造船所のように数をこなさなければならないわけでもありませんし。

昔は、日本市場という事で、造船所は日本にかなり期待もしていた感がありました。何しろ、外国から見ますと、日本はお金持ちの国で、しかも、地図を見れば、海岸線は長い。これは誰でも期待します。でも、最近は、結構海外の造船所も日本の事を知ってきたみたいです。確かに、海岸線は長いが、商業港が多いという事です。それに、日本事情を最初に詳しく説明しています。

さて、これからも、じっくりと取り組んでいきたいと思います。

海外での事情を聞きますと、やっぱり時間が無い人達も多いし、クルー不足もあるし、誰もがヨットを別荘にしたいわけじゃない。そういう人達がたくさん居るんだという話。そこにデイセーラーは格好のコンセプトとして受け入れられているようです。一方で、大きなヨットを簡単にマリーナから出し入れできるジョイスティック操作のヨットも開発されてきていますが、それとはやはり、全く違うものです。

仕事帰りにちょっと乗ってくる人も居るし、週末に家族サービスする人も居るし、その気軽さたるや、寝泊りの居住性という面以外では、使い勝手が良い。ヨットをどういう位置づけで考えるか次第だろうと思います。でも、クルージング主体と考える方でも、日常にはデイセーリングを楽しんで頂ければと思っています。

さて、来月の8月ですが、アレリオン33スポーツがやってきます。それで、8月はその艤装で忙しくなります。暑いですが、お時間のある方は是非、見に来てください。

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