第九十四話 2013年

さて、いよいよ新年のスタートであります。今年は、何かが変わる。そのスタートの年ではないかと思います。何が変わるかと言いますと、新しい価値観の創造の年であります。

昭和の時代は高度経済成長の時代。生産性を高めて、物質的に豊かになれた時代でありました。そして、ソ連が崩壊して、自由主義こそが正しいとさらに進める。しかし、それもリーマンショックによってつまづいてしまった。これまでの平成の時代は模索の時代だったのかもしれません。もはや成長しないとか、高齢化社会とか、人口減少、そんなこんなを言いながら、デフレが長〜く続いてしまいました。ちょっと他の党にもやらせてみようとかもそうです。

そんなこんなを経験して、今年からは、その答えを出していくスタートになるのではないかと思います。否、期待しています。経済成長はもちろん必要です。我々の社会が経済に頼る限り、成長し続ける必要があります。しかし、それだけでは無理がある事は既に経験してきました。だから新しい価値観へとつなぐ必要がある。

つなぐとしたのは、改革等のような一新するような事は人がついていけない。仮に理論的に正しくとも、人がついていけないとなるとこれは問題であります。ですから、これまでに築いてきた伝統や文化を大事にしつつ、つなぎながら成長していく必要がある。それには、過去を全て検証して、そこから再出発という感じでしょうか?そういう年ではないかと思います。

我々が住む世界は人間で構成されていますから、経済効率一辺倒では無理がある。人間はそれほど合理的にはできていませんから。ですから、効率と人間の持つ曖昧な情みたいなものをうまくバランスさせる必要があるのかもしれませんね。

経済はデータと数値の世界で良いかもしれません。でも、情というのは難しい。でも、過去の歴史から培われてきた歴史、文化、習慣、伝統というものの中にあると思います。それを何とかバランスできれば?

これは、ヨットも同じで、データと数学的計算だけで全てが解決するわけでもありません。効率を追う事は、それはそれで重要な事ですが、同時に情の部分をどれだけ満足させられるかも重要であります。

という事で、セーリングの上達を目指しながら、同時に自分が何を感じているのか?そこが重要ではなかろうか?スピードという数値だけに左右されるのでは無く、感じが重要だろうと思います。
美しいと感じる、速いと感じる、滑らかさを感じる、スリルを感じる、恐怖を感じる、爽やかさを感じる、いろいろありますが、その中から、自分のスタイルを見出していく。もちろん、その手段としては、上達を目指すとか、スピードを目指すとか、使いやすさとか、そういう事が必要なのだろうと思います。しかし最終的に注目すべきは、自分のフィーリングではないでしょうか?他人のフィーリングでは無く、自分のフィーリングであります。

自分の様々なフィーリングから、新しい価値観を創造する。それがスタートするのではないかと思います。クルージングとかレースとか、決まりきったジャンルに囚われる事無く、自分の感じを重視する事が必要ではないかと思います。だから、たくさん経験する必要がありますし、それには、ヨットに気楽に接する事ができるというのも必要になります。そこで、やっぱりデイセーリングが最も適していると、こういう具合であります。いつもながらのコメントで済みません。

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