第二十話 セーリングのまとめ
| セーリングをまとめてみますと、走り方に角度優先で走る時とコース優先で走る時のふたつの走り方があり、これが風向に対するもので、風速に対するセーリングはセールパワーの調整として、セール面積を増やしたり、減らしたり、そしてセールの形を風速に合わせて調整するというものです。 セーリングでする事はこれだけです。そこに人間の意識が加わって、それを選択していきます。面白さというのは、人間の意識無くして存在する事は無いと思いますが、だから、意識的に選択している事が必要で、その為には解っている事が必要になります。 今、角度優先で走っているのか、或はコース優先なのか、その意識があって、そのうえで、セール調整を行う。全ての行動に意図があって、頭使って、操作をして、だからその結果の反応が解る事になります。だから面白さが生まれてくると思います。 もし、それが無いと、無意識と言いますか、何と無くセーリングしていたのでは、時にはそういうのんびり感を味わうのも良いのですが、いつもそうだと、セーリングに対して、ヨットに対して、何だかぼやっとした印象しか残らないかもしれません。何年も経ってきますと、それで良かったのか？ と思うかもしれません。 ですから、意識的である事が重要で、その軸に、セーリングの探求という課題を設定し、それを主軸にしながら、いろんな遊びを取り入れていく事を御勧めしています。そうしたら、今、何をしていても、普段、主軸たるセーリングの探求を堪能しているのであれば、ヨットライフは実に充実感を与えてくれるのではないかと思います。人にはその時の気分というものがありますから、いつもいつも緊張感を携えて、セーリングの探求をしようという事はできない時もあると思います。でも、意識的である事が、ブレないセーリングを定着させる。きっちりと軸を持った方が良いと思います。 意識的セーリングは例えば、レースに参加しますと、誰もが自然に意識します。だから、それもひとつの方法ですが、レースもそうしょっちゅうで無ければ、普段はどうするかという事もありますので、日常的なセーリングにおいても、意識的なセーリングの探求をテーマに遊ぶのが良いと思います。つまりは、自分の軸を持つという事になります。 その軸はクルージングでも同じです。クルージングという旅を軸にしたのであれば、旅を楽しむのが主であります。でも、旅というのは、そうしょっちゅうはできないかもしれません。だから、セーリングというすぐそこでできる事を御勧めしている次第です。 意識的な選択におけるセーリングをし続けて、セーリングの探求をする。自分のペースで、少しづつでも、セーリングについて解ってくる。その面白さをフィーリングとして得ていくと、ヨットを趣味として堪能できるかと思います。そのフィーリングを得て頂きたいと思います。それがヨット最大の特徴だと思います。 デイセーラーは操作は簡単です。でも、その奥は深い。そして、操作性においても、帆走性能においても、セーリングを堪能するには最高のヨットではないかと思います。大きなヨットで、何人も乗せて走るヨットは楽しいかもしれません。しかし、ここで御勧めしているのは、楽しさを超えた面白さを提供する事です。それは、ヨットは短期間に終わらず、長期に渡るが故に、レジャーとしては完結できないのではないかと思うからです。長期に渡るが故に、そこには何らかの探求が求められるし、そうでないと続かないし、そして、長期間続ける事に対して、セーリングが持つ奥の深さがその価値を裏付けています。 ですから、是非、デイセーリングで、セーリングを探求するというテーマを持たれる事を御勧めしています。だから、その究極はデイセーラーなのです。 |