第五十一話 気持ちの分類
ヨットにはクルージングとかレーサーとかの分類があります。もっと言えば、その中にも分類があります。それで、今度は、乗り方から考えて、その乗り方の分類をした方が、使い方をもっと明確にできるのではないかと思います。 大きく分けますと、レース、クルージング、セーリングです。デイセーラーはその中のセーリングを軸としております。最も重要な分類の仕方は、気持ちがどこにあるかではないかと思っています。 この写真を見て、一体何をしているのか? レース中なのか、スポーツしているのか ピクニックなのか、何なのか? セーリングは気持ちの置き所次第ではない かと思います。 レースの場合、他の艇より速くゴールした いと思いますから、その気持ちは、他の艇 との競争にあります。競争ですから、自分 が気持ち良く走っているだけではいけませ ん。相手との駆け引きがあったり、いろいろ 作戦があったりします。それを楽しみます。 これが、レジャー的、ピクニック的セーリン グになりますと、気持ちは回りの風景とか、 同乗者との会話とか、セーリング以外の 処にあります。 さて、それがスポーツセーリングになります と、意識はセーリング自体に置かれます。 舵のフィーリングやセールの形、全体から 感じられるセーリングの妙など。そうすると、 感じながら、ベターを模索しています。 レースの場合は、最初から最後まで、レースマインドが維持されていきます。しかし、スポーツセーリングとレジャー的セーリングは混じる事もあります。レジャー的セーリングをしながら、時に、気持ちがスポーツセーリングに移行する事もあるし、その逆もあります。 スポーツセーリングは、速かろうが、遅かろうが、気持ちがセーリングにあって、そのセーリングからいろんなフィーリングを得ている状態だと思います。当然、ベターを目指しています。 どんなヨットでもレースに参加する事はできます。レースに参加すれば、レースマインドに誰でもなります。極端な言い方をすれば、良いセーリングをするのでは無く、勝つセーリングをしたい。 一方、スポーツセーリングでは、相手はいないので、セーリングにグッドフィーリングを目指したい。 また、レジャーセーリングになりますと、セーリングは手段となり、会話とか、違う事が主になる。 レースでは、セーリングは手段、目的は勝つ事。レジャーでも、セーリングは手段として、セーリング以外の要素も取り入れて、目的は楽しさ。でも、スポーツセーリングでは、目的はセーリングそのものにあり、そこから面白さを得る事だと思います。 レースはその時によって、必然的に確定しますが、スポーツとレジャーは曖昧になるかもしれません。それで、この分類は、自分の気持ちがどこにあるかで分けられる。傍から見ても解らない。 自分の気持ちが、セーリングにあるか、その他にあるか? これが気持ちの、乗り手側から見た分類になると思います。それで、その自分の気持ちの主流がセーリングにあるなら、デイセーラーは御勧めであります。もちろん、レースにも、レジャーにも使う事ができる。しかし、主流は何かという事になると思います。自分の気持ちのコンセプトとヨットが持つコンセプトを、できるだけ合致させる事が重要な選択になると思います。 どんなヨットに、どんな気持ちで乗るかは、重要だろうと思います。 |