第八十話 デイセーリング愛好会

そんな会はありません。敢えて言えば、私と全デイセーラーオーナーの方々かもしれません。敢えて、愛好会なんかにする必要は無いのですが、そういうセーリングの仕方が好きで、最も重視しています。だからと言って、デイセーリング以外はしないという意味では無く、デイセーリングに深さを見るという事です。

デイセーリングはピクニックセーリングもできますが、もっと深いセーリングもできます。日帰りですから、忙しい人もできます。ヨットがあれば、どんなヨットでもできます。2〜3時間でもOKです。
初心者もOKだし、超ベテランでもOKです。フィールドは目の前の海域です。

野球というゲームには、野球場があり、サッカーやバスケット、テニスも、そのフィールドがあります。そしてそのフィールドは狭い。限定されています。だからこそ、そこにゲーム性が強く出てきます。
フィールドがとてつもなく広かったら、そのゲーム性はわけわからなくなります。

ですから、半径5〜10マイルというフィールドにおいて、ゲームを楽しむ。それがセーリングをスポーツする事になると思います。もちろん、ゆったりのピクニックというゲームも良い。しかし、そこに、もっとゲーム性の強いスポーツをする事で、中身の濃いセーリングを、深く求める事で、他のゲームに劣らないゲームを楽しむ事ができる。

ただ、帆走すれば良いから、如何に帆走するか、する事ができるようになれるか?そういうゲームを気軽にする為に、デイセーリングをします。セーリングそのものを味わうという目的です。

この目的を実行していくには、やはりシングルハンドが良い。同じ価値観を共有する相棒が居るなら、それでも良いんですが、なかなかそうはいかないようです。ピクニックなら誰でも良いんですが、セーリング重視なら、そうはいきません。腕の問題では無く、気持ちの問題です。何を目指しているかを共有できなければなりません。腕は後からでもついてくる。

半径5〜10マイルのフィールドでも、同じ海ですから、セーリングの全てがあります。いろんな風景を愛でる事は無いかもしれない。旅の醍醐味は無いかもしれない。でも、深いセーリングを味わっていく事ができます。セーリングの大胆さから繊細さに至るまでを味わう事ができます。しかも、フィールドは目の前ですから気軽です。しょっちゅうでも可能です。井の中の蛙、大海を知らず、されど、その深さを知る、であります。

デイセーリングを軸として、セーリングそのものを自分のものにしてやろうという事です。遠くの海は知らないでも、対象は海では無く、ヨットとそのセーリングに置きます。そういう乗り方があっても良いと思いますし、個人的には最も面白い乗り方だと思います。ヨットについて、より詳しく、セーリングについても、より知る事、そこに面白さを見出す。

デイセーリングは簡単に誰でも始める事ができます。しかし、如何にを問うと、それは深い。その探求ですから、初心者でもOKなわけです。そして、自分が徐々に知る事、味わう事の変化が面白さを創造していく。上手い人が面白いのでは無く、上手くなっていく過程が面白いわけです。だから、初心者は面白いし、超ベテランだって、もっと上手くなる事を目指します。何しろ、終わりは無いんですから。だから、同じフィールドで、同じ時にセーリングしても、初心者と超ベテランのセーリングは違います。しかし、それぞれに面白さを味わ得る。

こんなセーリングをしない手は無いと思うのですが?そんなデイセーリングを重視した結果、デイセーラーに行き着きました。

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