第十一話 美しいヨット
| ヨットで何も凄い事しようなんてだいそれた考えは全くありません。ただ、日常的にセーリングして、楽しさを味わいたいし、さらに、面白さを感じて、ときめきを感じられれば最高です。セーリングは極めてエキゾチックな体験です。知的ですし、感覚的ですし、スピードに対するスリルもあるし、しかも、いつも変化し続ける。趣味としては最高ではないかと思います。それに、家族や仲間が望めば、そのフィーリングを提供する事もできる。また、実用性が無いというのもかえって良い。そんな事を考える必要が無いんですから。だからこそ、自由になれる。 ヨットは完全な遊び、個人の価値観を自由に反映できます。個人的な事を言えば、やはりヨットは美しくなくてはいけません。そして、その美しいヨットを美しく走らせる。もう、それだけで気持ちが良くて、その他、望む事はありません。ただ、美しく走らせるには、それなりの技量も必要になります。だから、徐々に腕をあげていきます。そして、そのプロセスが面白い。 できなかった事ができるようになり、知らなかった事を知るようになり、感じれなかった事を感じれるようになる。上手くなるというプロセスは、そういう進化を続けながら、様々なセールフィーリングを味わい続ける事だと思います。 その為に、気軽さを持ちたいですし、シングルでもできるようにしておきたい。デイセーラーは、そんな気持ちを反映しています。美しいデイセーラーを、軽快に、美しく走らせたい。ヨットの性能、艤装、アレンジメント等はその為のもの、だから、そこを注意して吟味しますし、さらに、それに対する自分の技量は上げる事ができるので、遊びながら練習します。 ただ遊ぶのでは無く、知的に遊ぶ。セーリングはレジャーであり、趣味でもあります。知的である事が面白さには必要だろうと思います。例えば、野球観戦を楽しむとしても、ルールを知っておいた方が楽しめるし、さらに、もっと詳しくなって、戦術とかも知れば、もっと面白くなります。ただ見ているだけとは大違いです。野球は、ただ投げて、打って、走る、そんな単純なスポーツではありませんから。野球に限らず、あらゆるスポーツが、スポーツで無くても、技量とか知識とか、そういう事を要求される物は、やはり知る事で楽しさは何十倍も、何百倍も違って来ると思います。だから、やっぱり学び続ける事が必要ですし、それが面白さでもあると思います。 今は未熟でも、この先、どんどん上手くなる。そして、美しいヨットを、美しく走らせる事ができる。それって、セーリングの醍醐味じゃないかな〜と、個人的には思う次第です。どのヨットが美しいのか？ それは各人の価値観次第ですが。 |