第三十三話 質とか性能とか

セーリングが流行ってきたら、そのヨットの質や性能がますます注目されるようになると思います。これは別に、レースで勝つとか、そういう話しでは無く、自分が楽しむ為、感性です。ですから、スピードももちろんありますが、その質もあります。操作性もあります。

デイセーラーには、サイズを長くしてキャビンを確保、それで、クルージング機能も追加するという動きもありますし、これは例えば、アレリオン41なんかそれになります。

  

写真はアレリオン41です。いかにもクルージング艇に見えますが、セール面積/排水量比は
23.5ありますから、結構スイスイ走ります。一般的なクルージング艇に比べて、排水量が軽く造られてます。もちろん、強固にです。それに、シングルハンド仕様も変わりません。

一方、ディナミカ940やオプティオ9なんかは、30フィートサイズにおいて、そのパフォーマンスを上げています。

  

写真はディナミカ940 セール面積/排水量比は30オーバーです。9.4mで排水量は2.2t しかなく、バラストは53%です。船体は超ハイテク、軽量且つ強固です。とっても速い。でも、強風においては、リーフで対応しますから、しかもバラストも重いので、意外にも乗りやすい。どおってことありません。それで、微軽風には当然速い。

この両方の発展の方向性があるわけですが、クルージング性能を追加したデイセーラーは、もはやデイセーラーとは言い難いのですが、でも、前記しましたように、パフォーマンスは高いし、シングルハンド仕様でもある。それにキャビンが広くなったとは言え、今日のクルージング艇程、ボリュームがあるわけではありません。ですから、比較的気軽に出せる。そういう意味ではデイセーラーとしての機能も維持しています。日常セーリングとクルージングです。

一方、超ハイパフォーマンスのデイセーラーは、よりセーリングを強調しています。それでもキャビンはあるので、クルージングは近場に限定し、それより、セーリングをもっと楽しもうというコンセプトです。つまり、どちらもセーリングを重視している点では同じです。何故なら、セーリングが面白いからというのが、デイセーラーの原点にあります。この様なデイセーラーはレーサーとしてのポテンシャルを持ちます。しかし、レーサーではありません。あくまでセーリングをスポーツしたり、ピクニックしたりして楽しむのが基本です。だからシングルハンド仕様にしてます。

質は高い方が良い。でも、パフォーマンスのレベルとしては、自分の好みのレベルがありますので、何でもかんでも高い方が良いとは言えません。自分が楽しめるセーリングパフォーマンスというのがあると思いますので、そこを検討する必要があると思います。高い質で、パフォーマンスが自分の希望に合致して、それでいて、気に入った美しいデザインなら、最高ですね。後は、美しく走らせるだけです。きっと、最高のフィーリングを手に入れる事ができるようになると思います。

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