第七十四話 Alerion 33&33S

33フィートを2艇続けましたが、比較して見ると面白いので、33フィートのデイセーラーを続けたいと思います。次はアメリカのアレリオン33と、アレリオン33スポーツです。この二艇は、同じ船体で同じバラスト、同じセールエリアです。しかし、排水量は、33スポーツの方は、内装をよりシンプル化する事によって、軽減しています。デッキ上も少し装備が違います。

アレリオン33の排水量は3、915kg、セール面積は56.6u、SADRは22 アレリオン33スポーツは排水量が3、600kg、セール面積は同じで、SADRは24.4です。アレリオンのセール面積が大きいのは、メインセールがスクウェアートップまでには行かないものの、大きなローチを持つセールだからです。そして、バラストが1、485kgあります。

前に取り上げましたフライヤー33は排水量2、700kg、バラスト1、050kg、セール面積46.6u、SADR25.5でした。また、エッセンス33は、排水量2、750kg、バラスト850kg、セール面積56u、SADR28.8です。これらとアレリオンを比べますと、排水量が重い。その最も大きな要因はバラスト重量です。

全てはプロデザイナーの設計です。どれが良い悪いでは無く、設計思想の違うヨットと見た方が良いと思います。アレリオン33はSADRが最も低い。しかし、SADRが22あれば充分マイルドなスポーツ感を楽しめる。実際、結構スイスイ走ります。普通は充分だと思います。それがアレリオン33スポーツになると、SADRが24.4になって、フライヤー33で25.5、エッセンスでは28.8となって、もっと速い。しかし、セーリング中の安定性では圧倒的にアレリオンが高い。どの程度のスピード性能と安定性を求めるかによります。

強風で早目のリーフをするにしても、フルセールで走れる風域では、より速い方が良いと考えるか、或は、少しでも強風に強い方が良い、微風では第三のセールを使うと考えるか? 独断的ですが、SADRが20前後あれば、結構楽しめると思います。25になると、かなりスポーティーで速い。30前後になると、めっちゃ速い。曖昧な言い方ですが。その速さに伴って、だいたい安定性は低くなる。当然ですが、速いヨットを造る為に、排水量を軽くしますが、セールも大きくします。実は、排水量の軽減よりも、セールを拡大した方が効果は高いです。普通、両方やります。排水量とバラスト重量、それにセール面積、これらのバランスがどうなっているか?

また、アレリオンの特徴はジブブームです。これによって、上り以外でも、ジブを効果的に開く事ができます。もちろん、下りにおいてもです。

  
  アレリオン33スポーツ 
 
   
  アレリオン33スポーツ
  ティーラー仕様、ステアリングホィール仕様も可能です。
  写真左のキールとプロペラ共通です。
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  アレリオン 33
  

  アレリオン33
  ステアリングホィールと電動ウィンチ
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