第十二話 アレリオン 20



      昔は、小さな、キャビンの無いヨットをデイセーラーと呼んでました。キャビンが無いので、泊まらない
      という前提から来た呼称だと思います。しかし、今日のデイセーラーは、それとは違って、パフォーマ
      ンスを重視したが故に、キャビンを敢えて狭くしています。呼称は同じでも、全く違った性質を持って
      います。だから、でかいヨットでもデイセーラーと称しています。それはそのヨットの主旨にあります。

      パフォーマンスはクルージング艇レベルから本格レーサーレベルまであり、でも、クルージング艇では
      無く、レーサーでも無い。どちらにも縛られないで、より自由にパフォーマンスを求めたヨットだと言える
      と思います。今日、そのバリエーションは豊富です。ただ、シングルハンド仕様である事は共通しています。

      これまでご紹介してきましたのは25フィート以上でしたが、それ以下のサイズでも、今日的なデイセ
      ーラーがあり、ご紹介したいと思います。キャビンは有りません。荷物置き程度です。でも、このヨット
      は、コンセプトにおいて、今日のデイセーラーそのものです。小さなサイズでは、これまた、小さいが
      故の面白さがあり、小回りがきいて、欧米では、こういうサイズも盛んです。是非、ビデオをご覧ください。

      アレリオンの最少モデルに20フィートがあります。排水量は855kg、バラストは351kg、セール面積は
      20.4u。そして、SADRは22.9になります。全てが小サイズですから、取り扱いはよりし易い。でも、
      パフォーマンスとしては、かなり高いです。22.9は一般のレーサークルーザーレベルです。セーリングを
      スポーツして楽しむと言う事では、このアレリオン20も面白い。ウィンチなんかありません。全部、自分の
      手で直接操作して、その反応をダイレクトに感じる事ができます。こういう面白さは、でかいヨットになる程、
      減少していくのかもしれません。面白さって、考え方次第で、どこにでも存在します。

      ただ、誠に残念ながら、このサイズのヨットは、輸出入や輸送のコストが小さいからって、安くならないん
      ですね。 コンテナに2,3艇一緒に積み込めば良いんでしょうが。


  
  
  

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