第三話 Eagle 44

     

    さて、今度は、オランダのイーグル44です。前後に長いオーバーハングを持つクラシックデザイン、これに船底
    はモダンデザインでバルブキールです。排水量を見ますと、5,075kgです。意外に軽い。バラストは1,920kg、
    そして、セール面積は72uです。

    このヨットはサイズアップするも、それでクルージング性を強化したわけではありません。だからと言って、特別に
    高いパフォーマンスを求めたわけでもありません。SADR値は24.7です。B42に比べたら落ちますが、でも、
    一般的には充分すぎるぐらいのパフォーマンスではないかと思います。レーサークルーザーレベルです。
    でも、セールは、それより遥かに小さ目なので操作しやすい。どのくらい小さいかと言いますと、一般クルージング
    艇の37,8フィートぐらいのセール面積ぐらいです。それでも、このパフォーマンスが得られるのは、排水量が
    それよりもっと軽いからという事になります。軽くする事で、小さなセールでも高いパフォーマンスが得られています。
    このヨットが目指したのは、気軽に操船できて、でも、かなり速いセーリング、そういう事だと思います。

    考え方を変えれば、バラストをもう少し増やして、セール面積も増やせば、もっと高いパフォーマンスにできます。
    でも、SADRが24.7もあれば充分だという考え方だと思います。

    キャビンはバウキャビンのみです。いわゆるメインサロン的なスペースはありません。でも、造船所曰く、コクピットが
    メインサロン。なるほど、そういう考え方か。それで、コクピットにテーブルを配し、そこの冷蔵庫と清水のシンクが
    仕込んである。操船は、それより後部側。もちろん、オール電動です。優雅に、軽やかに、でも、スイスイ走る。

    サイズを大きくするメリットの三番目は、特別に高いパフォーマンスを狙わなければ、小さ目のセールで、楽に操船
    できるという事です。この美しいクラシックデザインからしても、優雅に、スイスイ走る。そういう感じが似合ってます。
    このパフォーマンスでも、高い方で、一般的には充分すぎるぐらいと思います。

    このサイズをシングルで? と疑問に思う方は多い、しかし、現物を見ますと、可能だと解ります。幅と高さの関係で
    ボリューム感は薄い。風圧面積も低い。結局、我々を圧倒するのは、長さでは無く、ボリュームなんじゃないかと思
    います。その圧倒感ですね。三重県で試乗する事ができますよ。本当にそうだろうか? 実際にご確認頂けます。
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    操作はもちろん、ボタンひとつ。メインシートは引くのも出すのもボタンひとつ。でかいと返って楽になりますね。


  
  
  
  
      

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