第四十一話 セーリングを遊ぶ




       セーリングの面白さは、A地点からB地点に行く事では無く、その間をどういう操作で走らせたか? どういう
       セーリングだったのか? そういう事がセーリングの面白さではないかと思います。微軽風には、微軽風の、
       中風、強風と、それぞれのセーリングを、上手く制御して、楽しめれば、最高の味わいを得る事ができると思い
       ます。その試行錯誤が、セーリングを遊ぶ事だと思います。少しでも理解が深まり、上手くなれば、気分も上々
       です。

       その為に、最も大事な事は舵操作だと思います。前話の、ひたすらすっ直ぐ走る舵取りは、目標点をダイレクト
       に狙える時。風向変化に合わせて、舵を追随させる時は、上りの角度稼ぎで、目標点を直接狙えないで、ジグ
       ザグにアプローチする時。セーリングはこの二つしかありません。タックする時も確実に、しかも何気ないタック
       では無く、舵を切る量とか速さとか、その時の状況が解った上での操作になります。

       さらに、ジャイブ時もそうですし、、微軽風時、強風時、様々な状況下で、セーリングを考えながら、タイミングを
       計りながら、舵操作をする事になります。だから、舵操作に上手くなる事は、セーリング全体を理解する事になり
       相当なレベルアップになると思います。

       それに比べたら、セール調整は、舵から下された命令に従うだけ。その時の風向と風速に合わせて、セールを
       調整する事になります。その時、舵がしっかりしていれば、調整もやり易くなる。それで、その調整を試行錯誤
       して遊ぶというゲームです。


       それで、セール調整も分けて考えたら良いかと思います。まずは、風向に対する角度です。セールの形は、ひと
       まず置いといて、ある程度大雑把でも、適当に設定して、風向に対して、セールの角度をあれこれ変えてみる。
       それで、どういう変化が起こるかを観察します。

       角度を変える方法はシートの出し入れ、バング、メインシート、トラベラー、この三つをじっくり考えて見ます。もう
       既に御存知かと思いますが、敢えて、もう一度、確認して、その機能を考えて、操作してみます。セールの形を
       変えないで角度だけ変える。

       そして、次に、セールの形です。ドラフトの深さ、ツウィスト量なんかも考えて見ます。バックステーアジャスター、
       アウトホール、カニンガム、バング、この四つの機能を再確認して、実際のセーリングに使います。

       セーリングの面白さは、理解度を深めていく事ではないでしょうか? 解らないなら、偶然の風に遊ばれている
       だけになり、解れば、コントロールしようと考えますから、それがセーリングゲームとなって、面白さを感じる様に
       なれるのではないかと思います。

       考えた事を実践に移して、そしてより洗練させていく。それこそが、セーリングという遊びの神髄ではなかろうか?
       何度も言いますが、解っていく事、できるようになる事、それが面白さそのものではないでしょうか。デイセーラー
       はその為にあり、シングルで操作できる様になってます。それに、操作自体は簡単にできる様になっています。
       そして、それには、美しいヨットである事は欠かせません。お気に入りのヨットを自由自在に、美しく走らせる。
       遊びだからこそ、カッコ良くなくちゃ。そして、操作もカッコ良くやれる様になりたいです。写真はイーグル44です。

       

        

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