第五十二話  永遠のテーマ



      
クルージングには目的地、レースにはゴール、明確なテーマがあります。だから、それに向かって、気持ちが充実してきます。でも、デイセーリングはどうだろうか? その目的は何でしょうか? 気軽にできるだけに、適当にその日の風任せのセーリングになりがちです。面白い時もありますが、偶然の風任せ。という事は、面白さも限定的になるかもしれません。ピクニックなら、それでも良いとは思いますが。

そこで、デイセーリングにも明確なテーマを持つと、そこに向かって気持ちが充実していきます。それが、マイヨットの性能を調べるという事です。どんなセーリング性能を持っているか? という事を意識して走らせます。これは、調べるという目標を持つわけですが、実は、そうやっていく事で、セーリングそのものを味わう事になります。

前話の上り性能を調べるという事において、そうしながら、上りのセーリングというものが解ってきます。調べる事を手段としながら、実は、セーリングそのものの理解を深め、よりグッドフィーリングを味うのが目的です。自分のヨットに精通できるし、セーリングそのものが解るようになれます。

それには、系統だてて、テーマを持ってセーリングをした方が確実ですし、効率も良い。上りと決めたら、いろんな上りをやっていく。マイヨットの性能調査、上りというセーリングそのものの調査、そうしながら、その味わいも感じます。調査と言うと堅いイメージですが、気軽に、気楽に、それを覗いてみる感じでしょうか。

ヨット自体の性能は変わりません。セールを替えれば変わりますが、基本的には変わらない。でも、自分の理解と腕は上がります。そうすると、マイヨットの性能をさらに発見できるようにもなれる。これは永遠のテーマになるかもしれませんね。だから、永遠に楽しむ事ができます。

ゆっくり、マイペースでやれば良いと思います。自分のヨットがどんな性能を持つのか? 興味ありませんか? 適当なイメージで判断するのでは無く、確実な判断ができます。そうなると、別なヨットに乗るチャンスがあっても、解りますね。セーリングはフィーリングだと思いますが、確実な理解あっての事です。その方が絶対面白いと思います。

        

次へ       目次へ