第二十四話 面白いセーリング、始めませんか?



      
10年、或いはそれ以上の長期に渡ってヨットを堪能するとしたら、面白いセーリングにするしか無い。面白いセーリングとは、発見があり、学びがあり、進化するセーリングです。その為には、本気でセーリングする必要がある。本気とは、自分の意識がセーリング中はセーリングと伴にある事が条件です。そのうえで、まずはヨットに装備されている全ての走らせる為の艤装を使えるようにする事だと思います。

シート操作にひとつ操作を加えて、その役目と効果を理解して、自由自在に使えるようにする。例えば、トラベラー、それからさらにバング、これを全てやります。操作はロープを引くか出すかだけですから思った以上に簡単です。そして、操作に慣れてしまえば、もはやそれ以降は操作に煩う事が無くなります。さらに重要な事は、各艤装の意味する処、ひとつ操作を加えれば、その意味を知る事になる事です。

シート操作にトラベラー操作を加えたら、セーリングに対する対応の仕方が変わります。それは自分の頭の中のセーリングが変わる事になります。バングを加えたら、また変わります。全部操作を自由に使えるようになったら、セーリング全体が変わります。面白さは頭の中にあって、その風の変化にどう対応するかを考える事にあります。そして、その操作に慣れて考える事無く、感覚的にできるようになったら、頭脳はさらに先の事を考えられるようになります。

面白さは頭の中に、グッドフィーリングは感性にあります。全ての艤装を使えるようになって、それに慣れて、自在に操作できるようになるというのは、何も速さだけの問題では無く、頭脳と感性のゲームを高める事になります。それを、5年、10年、もっとという長期間において育てて行こうという事です。何が育つのか? 自分自身ができるようになる、解る様になる、感知できるようになる、最高の自分自身を味わう事ができます。言い方を変えれば、セーリングを手段として、最高の自分自身を創っていく事になります。昔、コマーシャルで違いの分かる男というフレーズがありましたが、それですね。違いの分かる自分です。

この事で重要な事は、良い風吹いて快走した時だけがセーリングの面白さでは無く、あらゆる風の中で、微軽風だろうと強風だろうと、如何にセーリングを創っていけるか。そこを楽しむのがセーリングではないでしょうか?その気になれば誰でもできます。やるかやらないかです。

面白いセーリング、始めてみませんか? 

        

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