デイセーラーの意義は、そのコンセプトにおいて、誰もが、その気にさえなれば、セーリングを自分のものに出来るようにした事だと思います。25年ぐらい前は、これからはクルージングの時代だと思っていました。実際に数多くのクルージング艇が進水してきました。しかし、これからはセーリングをあらためて見直す時代だと思います。それを促して、目覚めさせたのが今日のデイセーラーだと思います。
デイセーラーのイメージは、気軽さ、簡単操作、シングルハンド、滑らかさ、ハイパフォーマンス、高い安定性、軽めの排水量等々、それはスポーツカーのイメージと重なる処が多いです。車は実用性が重視されますからヨットとは違う要因がありますが、ヨットには実用性なんか必要無い。面白いか、楽しいかで充分だと思います。
従来、ヨットには極端な言い方をすれば旅かレースかの二つしか無かった。でも、そこにひとつセーリングというジャンルが加わりました。そこに今日のデイセーラーの意義があると思います。
今日のデイセーラーがクルージング艇とどれだけ違うかをちょっと見てみます。違うジャンルで比べても仕方ないのですが、デイセーラーを知って頂く為です。下の写真はアレリオン30ですが、同じサイズのクルージング艇より排水量は30〜40%程度軽く、でも船体剛性は高く、セール面積はクルージング艇より小さいので操作はし易くなりますし、でも、SADR値はクルージング艇より25%程高い。目的が違いますから当然ではあります。その代りデイセーラーはキャビンを犠牲にしています。
つまり、セーリングを堪能するならデイセーラー、クルージングを楽しむならクルージング艇となるのは当然で、この二つは全く違うヨットなのです。さて、どっちが良いのか? これはキャンピングカーとスポーツカーのどっちが良いですかという質問と同じです。
さて、クルージング艇でもセーリングはできます。同じようにデイセーラーだってクルージングもできます。しかし、得意分野はそれぞれ違う。という事は、セーリングとクルージングとどっちが楽しめるのか?どっちがより面白いのか? おおいに熟慮に値するテーマだと思います。
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