第四十五話 セーリングを料理する



      
美味しいものを食べたいと思ったら、誰でも、レストランを調べたり、料理するにも美味しく作る工夫をします。それは普通の事として誰もがそう思っています。場合によっては、料理の工夫自体も面白かったりします。

それはヨットにも同じ事が言えます。いかにヨットを料理するかで、その美味しさに格段の差がついてきます。ヨットにはいろんな料理法がありますが、その最も簡単で、手軽で、誰でもできるのが、セーリングを料理する事です。そのセーリングを如何に美味しくできるか? 工夫次第です。

料理するにも知識と技術があった方が、よりその具材の美味しさを引き出す事ができますから、セーリングだって、そのヨットの性能を引き出すには、やっぱり知識と技術があったほうが、より美味しく頂ける事になります。

ですから、セーリングを美味しく料理しましょう。ヨットを出して、まずは味見をする。セーリングしてみます。その時、心はセーリングと伴にある事が必要になります。実は、これだけで、ちょっと面白くなります。セーリングにもいろいろあるんだな〜と解ります。それで、ちょっと速く走れるように工夫を考えます。料理なら、調味料かもしれません。セーリングだったら、舵の操作を考えます。トラベラーやバングを考えます。
バックステーやアウトホールを考えます。それらを使う事によって、セーリングが変わっていきます。自分の操作で変わっていく処が面白さになります。そして、上手くなって行けば、セーリングが徐々に美味しくなって行きます。極めて普通の事だと思います。

セーリングでは、少しスピードが上がったり、滑らかになったりしていきます。セーリングが自分のコントロール下に置かれていきます。そうなると、どんどん面白くなると思います。やる事はそう難しい事では無く、心をセーリングにおいて、いろいろ操作してみるだけです。それで本当は面白くなるんです。どこか遠くに行かなくても楽しめるんです。

何が最も違ってくるかと言いますと、そうこう工夫をしているうちに、自分自身が変わっていく。違いが解る様になる。だから、かつては何でも無かったセーリングに違いが解るようになります。

是非、セーリングに心をおいて、その料理に工夫をしてみて下さい。間違いなく美味しくなると思います。すぐに最高の美味しさになるわけでは無いかもしれない。しかし、今の処、それで充分美味しいはずです。

         

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