第六十一話 ワンデザイン



      
スピード狙いのデイセーラーは普段のセーリング以外に、ワンデザインにおけるレースを視野に入れてます。しかし、これだけ多くのモデルが出てくるとなると、世界は広いとは言え、どれを選択していくべきか迷うだろうし、分散していくでしょうし、どのモデルが最もシェアーを獲得できるのか、今後の興味が尽きません。

ただ、いずれにしろ、ある地域に一定の数が集まらない事にはワンデザインのレースが成立しない。まあ、2艇あればレースはできますが、それじゃ寂しいです。どのモデルにせよ、日本でもワンデザインレースが成立できると良いんですが。

それは兎も角、ワンデザインレースなら、何もそういう超ハイスピードボートでなければならないわけではありません。極端な言い方をすればどんなモデルでも数さえ集まれば可能になります。少なくとも、5艇以上は欲しいかな? ただ、重きをどこに置くか次第です。レース主体を考えるのと、普段はデイセーリングを楽しむ事を主体に置くのとでは選択が違ってくると思います。

アレリオン28は全米の数ヶ所にフリートが形成され、普段はデイセーリングを楽しむが、時にワンデザインレースも行われています。これは、何もアレリオン28のみならず、世界中で、いろんなワンデザインレースが行われています。速いヨットもあれば、遅いのもある。でも、ワンデザインだから良いんです。充分楽しめます。ワンデザインですから、誰にでも勝つチャンスはある。どんなヨットでも充分レースを堪能できる。レースはレーサーの専売特許ではありません。ただ、そこそこは速い方が面白いですが。

ワンデザインレースのメリットは、10年前に建造されたヨットと、今日進水したヨットが、一緒にレースを楽しめるという事です。という事は、日々、進化し続け、もっと速いヨットが生まれますが、それに影響されないという事になります。この事は、レースにおけるスピードより、レースそのものに重きを置いた考え方になると思います。  70年前のデザインであるフォークボートでもワンデザインレースが成立し、世界中でレースが楽しまれています。ドラゴンなんかもそうですね。これなんか考えますと、絶対スピードを手放し、レースそのものを楽しむ事が主体になると思います。

という事で、デイセーラーの普及を目指し、いつか、楽しいワンデザインレースでもできるようになれば良いなと思っています。

        

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