第五十六話 今こそセーリングを



      
日本のヨット界の低迷はクルージングヨットの低迷と言って良いと思います。 旅をする時、多くの場合、ヨットでもエンジンを使ってクルージングをします。セーリングの旅では時間が読めませんから。そして、ヨットがエンジンで旅をする範囲においては、やはりボートの方が手っ取り早い、そう考える人達が増えてきたのかもしれません。 何しろスピードが違います。 行動範囲も広くなる。それに、潮待ちも必要無い。 それが今日のクルージング艇の低迷に至ったのかもしれません。

ただ、その旅も、外洋のロングとなると、燃料が持ちませんから、セーリングで行く事になります。つまり、ヨットでなければならない理由はセーリングにあるというわけです。そのセーリングにも、旅の手段としてのセーリングと、セーリングそのものを楽しむデイセーリングと、このふたつになります。或いは、レースです。

ヨットがセーリングしなくなったら、ヨットである必要性が無くなります。 だから、原点に戻りましょう。もう一度、セーリングというものを見直してみます。 ヨットを選択する理由は、もはや近場のクルージングでは無く、セーリングでなければならない理由が必要です。それは長期間に渡る旅か、或いは、短時間でセーリングそのものを楽しむデイセーリングか、どちらかに絞られるのではないでしょうか?

        

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