第49話 いつもベスト

世界が自分自身を通して見る世界しか無い限り、世界は私が解釈した通りです。それが
全てです。そうなら、今、私の周りに起こった出来事は全て私にとって相応しいことになる
と思います。何故なら、何が起ころうと、それ自身には何ら意味は無く、私の解釈が意味
を付けているからです。その意味をつけるという作業は私自身によって行われ、その行為
は私自身のレベルでなされるからです。つまり、自分自身のレベルに相応しい出来事が
起こっていると考えても良いと思います。

つまり、私に起こっている全ては私自身が何者であるかを映し出す鏡とも考えられます。
その中で取っておきたい物と捨てたい物がある。では、そのように考えて、行動すれば良
い。理屈は簡単なことです。でも、実際はそう簡単では無い。

ヨットでセーリングしたい。そう思う。でも、いくつもの障害がある。障害はその事自体があ
るからできないのでは無い。その障害をどう解釈したかが、本当の障害となる。

最近、二つの葬儀が身近でありました。私の父も長い間入院生活をしています。そうなっ
てからでは出来ることも出来なくなる。人は生きている間にしたい事をしておくのが良いと
ある参列者も言われていました。したい事を止めるのも、するのも自分自身次第です。
近所の大学生が大学をやめるらしい。そもそも大学に行ったのは母親が大学に行けと言っ
たからだと言ったらしい。これなど勘違いもはなはだしい。誰の影響だろうと、最後に決めた
のは自分であり、自分が解釈した世界であり、自分に責任がある。できる事、したい事、
できない事、すべて自分で解釈して実行している。或いはしていない。

こうなってくると、何が起こるかより、起こった事をどう解釈したかが全てです。解釈の仕方
が私自身です。物事の客観性などは無い。従って、より多くの事を素晴らしいものと解釈
できる人は幸福です。喜びを味わう最高の秘訣は自分が何をどれだけ素晴らしいと解釈
できるかにかかっています。それは何が起こるかより重要なことです。

セーリングは素晴らしい。でも、時化は嫌だ。でも、もし、時化も素晴らしいと思えるようにな
ったら、全ては素晴らしいという事になる。時化ても乗るという意味ではありません。時化を
嫌わないというだけです。ヨットは本当に良い時だけを受け入れるのでは無く、良い時も
悪い時も、退屈な時も、スリリングな時も、恐怖も感動も、何でもそのまま受け入れられれば
本当に心から楽しむ、充実したヨットライフが過ごせると思います。天候が悪い、クルーが居
ない、暑い、寒い、ヨットが大きい、小さい、そんなことに不平を漏らすより、それをそのまま
受け入れて、そして、変えたいものは変える努力をすれば良い。変わらないものはそのまま
受け入れる。それで楽しんでしまう方が良い。

他人は関係無いですね。自分のやり方で、楽しいと自分で解釈したことを自分流に楽しめば
それで良い。ですから、誰でもできて、誰でも楽しめる最高の方法はデイセーリングです。
どのようにデイセーリングをするかは自分次第です。

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