今日のデイセーラーコンセプトを生み出した発想は、シンプルで、ただ、気軽にセーリングを楽しみたいというものです。遠くへの旅は想定せず、別荘的キャビンも想定せず、ただ、いつでも、気軽にセーリングを楽しみたい。

そんな考え方から、内装はシンプルで良い、広く無くて良い、最低限のものさえあれば充分となり、その分、セーリング性能、安定性、剛性、操作性が検討され、デイセーラーの誕生となります。そして、今日では、それが世界に広がり、そのパフォーマンスはレーサーに匹敵するデイセーラーまで登場してきました。

しかし、デイセーラーの基本はレースでは無い（もちろんレースやっても良いですが）。どんなに速くてもレースが主体では無く、あくまで自分や家族が、いつでも気軽にヨットに接し、ヨットならではのセーリングを楽しめる事。クルーも要らない、出入港からセーリング操作も容易、さらに、メインテナンスも容易で、それをベースにデザイナーはより美しいデザインを施していきます。見た目は重要ですからね。

いろんな考え方があり、それに応じていろんなタイプ、いろんなパフォーマンスがありますが、デイセーラーを突き詰めれば、キーワードは　”気軽に楽しめる”　という事だと思います。遠くを目指せば、それなりの装備と準備が必要になります。キャビンに快適性を求めれば、それなりの広さと装備が必要になります。それらに応じたメインテナンスも必要になります。そうでは無くて、近場で良いしキャビンにも籠る事は無い、ただ、マリーナに来て、出したい時に出せて、容易に高いパフォーマンスを味わってくる。ちょっとした集いはコクピットで充分、その代わり、他には無い気軽さがある。

デイセーラーは　”美しいヨットを美しく走らせる”　それを支えるのが何と言っても気軽さだと思います。その気軽さで、その気になるなら、セーリングの深いフィーリングも味わえる。デイセーラーはそういうヨットです。