第三十七話 デイボート


      

海にロマンがあり、それにアプローチする方法としてヨットとボートがあります。ヨットにデイセーラーがある様に、ボートにはデイボートがあります。敢えて、デイボートとは言ってませんが、まあ、そんな感じです。近場に絞って遊びを考える。何と言っても気軽に楽しめるのが近場です。近場はもっと重視されても良いんじゃないかと思います。その自分にとっての近場に遠くからやってくる。これ如何に?

ここに挙げたバックコーブ30はそのひとつ。標準エンジンはヤンマー320HPの一基にバウスラスターという設定です。それでスピードは巡行20ノット、トップ25オーバーというぐらいです。今時のボートとしては速いわけではありませんが、ゆったりした感じで、高速の必要は無いが、でもトローラーじゃあ物足りないという方々へ。中速域のボートです。

それでも結構、広範囲なフィールドをカバーします。燃料は600リットル、巡航で走るなら、航続距離は250マイルぐらい(タンク容量の90%として)。デイボートとして往復距離を考えても十分でしょう。もちろん、スピードを落とせばもっと長距離を走れます。燃料補給の面倒くささを考えると、航続距離は重要なポイントになると思います。

さて、ボートだからって移動目的ばかりに使うわけではありません。良いデザインで造りの良いボートは、その走りに安定感と滑らかさを感じます。ここでもやっぱりスピードばかりが全てではありませんね。乗り味の良さは走るフィーリングをも楽しめます。これは、ヨットもボートも船体こそが、やはり重要です。



さて、ヨットもそうなんですが、ボートにとってもコクピットは重要なスペースだと思います。自宅で言うならバルコニーみたいな物、ましてアウトドアですから、たとえ立派なキャビンがあっても、コクピットの方が気持ち良い。そこで、バックコーブ30はメインサロンとバルコニーの一体感を持たせています。広〜いリビングルームみたいな感じです。使い勝手は良いと思います。価格US$280,000.







良い素材を使って、技術レベルの高い職人がシンプルに仕上げた。そんな印象です。もちろん、バキュームインフュージョン工法、樹脂はビニルエステル/PVCフォームコアサンドイッチ、内部補強のストリンガーもバキュームインフュージョン工法にて船底に一体化されています。

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