第四十五話 ヨット受難の時


      

全体的にヨットの数が減ってきています。中古艇の需要は多いのですが、新艇の進水は減少してきています。この現象は何なのでしょう?ヨットは難しい?これは昔も同じ、むしろ最近のヨットの方が、それこそ便利簡単になってきました。にも拘わらずです。

大きなヨットが世界的に売れる様になって、特に量産艇のビルダーは大型にシフトしてきています。それゃあ、その方が儲かる。量産ビルダーが小型艇を造らなくなっているのも原因のひとつかもしれません。しかし、どう考えても、40フィートや50フィートが主流になるとは思えません。やはり、基本は30フィート前後か以下なのではなかろうか?

しかし、そこで、ポーランドとかトルコとか、そういう国の造船所が小型艇を自社ブランドで出してきました。ヨーロッパではかなり浸透している様です。ポーランド製ヨット?日本では全然馴染みがありません。もし、それが日本でも十分認知されてくると、ヨットの減少に歯止めがかかるかもしれません。今は、30フィート前後以下で、選択の幅が無いのがいけません。上の写真は28フィート、操作性を考えても、居住性を考えても十分だと思います。

この度進水させましたTES28はポーランド製です。品質的に問題は?全然、むしろ良い。丁寧に、誠実に職人が手間をかけて建造しているというのが良く解ります。この造船所が建造しているのは最大で32フィートです。既にヨーロッパ、カナダにも出してますが、これがもっとどんどん売れるようになると、大型艇を造りたくなって、そして小型を切り捨てる?そうならない様に願ってます。

これからは特にクルージング艇の小型は、ポーランドやトルコ等が主流になるかもしれませんね。それらを日本が知る様になると、またヨットも増えていくかもしれません。そうあって欲しいです。

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