第四十一話 デイセーラーの行方


      

イタリアのERYD32が2019年モデルとして発表されました。ベースプライスは132,000ユーロだそうです。当然ながらエポキシのバキュームインフュージョン工法、排水量はわずか1,900kgです。特に目新しい処は無さそうですが、ただ、オールカーボンバージョンもあるそうで、ハイスピード狙いは明らかです。SADRは37, ダブルラット仕様もあるようです。この辺りが新しい?

デイセーラーが次々に生まれてきますが、ひとつはモダン系のハイスピード狙いのヨット、そしてもうひとつはクラシック系デザインで、そこまでスピードは狙わないが、それでも充分速さを楽しめるエレガントなデザインのデイセーラーです。そしてもうひとつ、モダン/クラシック系というのがあって、モダン系程では無いにしても、相当速いスピード狙いです。ワリーナノとか、エッセンスなんかがこれに相当します。見るからにそういう感じがしますね。

 
Wally Nano                          Essence

2019年モデルのイーグル38は、完全なクラシック系デザインで、SADRは約25ありますから、いわゆるレーサークルーザー並みのポテンシャルです。特にハイスピードを求めるわけでは無い限り、このパフォーマンスで充分過ぎるぐらい楽しめると思います。

全てのデイセーラーは軽量化を図りますが、中でも超速いヨットはさらに軽量化し、さらにセールも少し大きくなります。そしてバラストは少し軽めで深い。こういうヨットはスポーツ性が高いので、軽風にも反応し走るが、強風ではよりセール操作が必要になると思います。でも、それで良いわけで、スポーツ性の高いヨットを建造しているんですから。積極的にスポーツを楽しむという事になります。

そして、これらはみんなウィークエンダーとしての顔も持ち、家族や仲間とのセーリングも楽しめる。1泊、2泊、泊まれるぐらいの設備です。そして、この設備をも排したのが、キャビン無しのデイセーラー。例えば、フッドやケープコッド、フォーカス、彼らは、これこそピュアデイセーラーだと主張しています。

 
Hood                            Cape Cod

他にもたくさんあります。いろんなパフォーマンスがあります。自分に合うパフォーマンスを見つけて頂きたいですね。もちろん、見た目のデザインはとっても重要です。むしろ、最重要かなとも思うぐらいです。みんな完成度は高い。普通は、新しいモデルが出ると旧モデルが古臭く見えてきます。しかし、デイセーラーはそうはならない。今在るデイセーラーもそのまま生き続ける事になるでしょう。だから、今日買ったデイセーラーが30年後も全く見劣りしないのです。

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