第四十三話 基本性能


      

セール面積は変えられるからセールパワーを変えられる。と言う事は同時に安定性も変えられる。そうやってその様を味わうのがセーリングです。とは言っても、各ヨットに基本性能があって、それを軸にセールパワーがコントロールされます。それで、自分のセーリングの基準を選択するという事になります。

レーサーだったらこうはなりませんね。勝てるヨットが良いヨットですから。でも、セーリングに勝ち負けは無いので、どこら辺りの性能でセーリングにアプローチしていくか?その判断の助けになるのが、これまで何度も書いてきましたSADRです。排水量と基本セール面積の比でありますから、その基準から、セール面積を増減させます。そして、ヨットはそのSADR値に即したデザインになってますから、プロのデザイナーに任せておいて良い。

でも、好みが分かれるのが見た目のデザイン。これが重要です。個人的にはクラシック系が好きなんですが、写真のモダン系のスポーティーさも、なかなか良いですね。チークデッキ張って、ソフトフィーリングになっている処も良い。見た目、速そうに見えますね。SADRは34.78、やっぱりね。実は見た目重視、そしてだいたい見た目通りのパフォーマンスです。

デイセーラーの真骨頂はシングルでスイスイ走る処です。もちろんパフォーマンスは違いますから、微軽風で差が出る。そこは第三のセールでカバーしていけば面白くなると思います。欧米では有名なノルディックフォーク25、重めのヨットですからSADRは15、微軽風で、これにコードゼロを上げた処、スーっと走り出した。これも気持ちが良い。セーリングはいろいろです。

クルージング艇ならSADR15なんていっぱいあります。でも、同じ15でもデイセーラーは違います。それはフリーボードが低い、スリム、そして、重めと言ってもクルージング艇程重いわけじゃない。だからセールもクルージング艇より小さいけど同じ15.という事は操作がし易い。それがデイセーラーです。因みに、フォークボートのバラスト比は53%もあります。抜群の安定性ですね。こんなヨットから上の写真の様なヨットまであるのがデイセーラーです。

どれを選ぶにしろ、自分のヨットに熟知して、だからよりシンプルに、最高のコンディションを維持しつつ、その状態を自然に身体が記憶し、グッドフィーリングを目指します。デイセーラーだからこその遊び方のスタイルかなと思います。

SADRは基本セーリング性能を表す。20なら速いクルージング艇並み、25ならレーサークルーザー、30以上ならレーサー並みかな?サイズは20フィートから60フィート迄あります。クラシックあり、モダンあり、その中間的なものもある。セーリングを堪能するに最も適したヨットだと思います。

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