第四十四話 ついにアルミ製デイセーラー登場


      

ついにオランダからアルミ製のデイセーラーが登場しました。ユニークなデザインですね。こういう少し変わったのが出てくるというのが、デイセーラーが浸透しているという何よりの証拠だと思います。Speed Lounger 8500。

アルミは他の素材に比べて軽く強いのが特徴です。但し、余程腕の立つ職人さんが作らないと駄目だそうで、アルミの溶接は難しいとのこと。でも、きちんと造られていると、やはりアルミは軽くて強い。使用素材はアルミ合金で、マリングレードと言われます。アルミとマグネシウム合金やそれにケイ素や亜鉛を加えた合金が使われるそうです。

そうは言っても、メインテナンスに気を使います。電蝕が怖いですから。それを防ぐのが塗装だそうで、特に海水が接触する部分には塗装をしっかり塗って、もちろん船底塗装は銅が含まない塗料を使います。もちろん、防触亜鉛も欠かせません。さらに、内装の電気配線にも気を使います。ただ、しっかり造れば問題無いし、軽い割には船体合成をかなり高くできるので、このセールフィーリングはかなり滑らかだと思います。

全長は8.5m、幅が3.08mありますので、これまでのデイセーラーより幅広、排水量は2,150kgで、バラストは500kgの鉛です。セール面積は46uなので、SADRは28です。かなり高いものの、デイセーラー界では、もはや極端に速いというわけではありません。最近はもっと凄いのがありますから驚かなくなりました。慣れとは恐ろしいものです。



ハイスピードのスポーツ性の高いヨットですが、同時に、上の写真の様に、広いコクピットにして、テーブルを囲んでの楽しみ方も強く想定したのでしょう。その気になればもっと速くもできるはずですが、ここらのバランスがデザイナーの意図でありますね。もちろん、SADR28は十分高い。



内装はいわゆるワンルーム形式のウィークエンダー。これは他のデイセーラーと共通です。エンジンはエレクトリックです。最近は徐々にエレクトリックモーターの採用が増えてきています。

オランダはさすがヨット発祥の地、いろんなヨットがたくさんあります。今後もおおいに期待できると思いますね。

次へ       目次へ