第六十一話 ジブUVカバー


      

速いヨットが出てくると、見る目も変わってくる。吹かないな〜なんて時、だらしなく垂れ下がったセールに、しょうがない、エンジン掛けて帰るか、となっていたのが、時折バサッと音を立てるセールを見て、セールがもう少し軽ければ風をはらんでくれるだろう、なんて考えた。

そうか、ジブのリーチとフットに縫い付けられたUVカバーが無ければ、その分軽くなる。これは結構な重量に違いない。そこで、UVカバーを長い袋にして、セールを巻いた後、ソックス状のカバーをスピンハリヤードで上げながらファスナーを締めていき、最後に、下から絞り込むと写真の様に収まる。

これでセールとUVカバーを切り離し、その分セールが軽くなった。これなら、この間の風ぐらいでも風をとらえて推進力を生みだす事ができるだろう。それに、袋にすると、巻いたセールの隙間に風が入り込んで、セールを開くなんて事は無くなるし、それにセールが、雨だれで汚れないのも良い。

そう考えていくと、ダクロンセールは丈夫だけれど、セール自体も、もう少し軽い方が良いか。なんて考えてくる。それこもこれもヨット自体の帆走性能が上がってきたせい、少しでも微軽風でも走ると、それなりに気持ちが良い。スーッ、滑らかに。

今度は強風。風が強いなら重いセールだって充分に風をとらえる事ができるはず。ならば、ダクロンでも良いのか?否、強風ではセールが伸びてくる。そのせいで大きくヒールしたり、上り角度が悪くなったりもする。それじゃあ、伸びにくいセールが良いか。おまけに、これは案外、ダクロンセールより調整がし易くなる。何しろ、ダクロン程伸びないんだから。

という事で、軽く、伸びにくいセールを手に入れる。すると、セーリングがさらに気持ち良くなってくる。ヨットも自分も進化しながらセーリングを楽しんでいきたい。

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