第四十七話 アルコナ385 パフォーマンスクルーザー


      

このヨットのコンセプトはパフォーマンスクルーザーです。ですから、内装は充実していますし、セーリング性能も高い。何故、そんな事ができるかと言いますと、船体の軽量化と船体剛性を高める事に尽力しています。と言っても、これだけ造り込んだ内装ですから限度ありますので、セールエリアも少し広げています。それで排水量は6,850kg、セール面積/排水量比(SADR)は24.80となります。



この24.80というのは、前話のイーグル38(SADR24.9)と、ほぼ変わりません。アルコナ385は88u(107%ジブ)でイーグル38は59.8u(105%ジブ)、このセール面積の差は排水量の違いによって吸収され、ほぼ同等のスピードポテンシャルを持ちます。

同じポテンシャルならどっちが良いですか? 否、どっちが好きですかと言った方が適切ですね。アルコナには十分なキャビンがあり、イーグルには小さなキャビンです。でも、イーグルならシングルができ、遥かに気軽に操船できるでしょう。アルコナには長旅にも対応できるキャパシティーがあります。迷う処でしょうね。

もし、友人達のひとりでもクルーになってくれるなら、いつでも付き合ってくれるなら、セーリングを堪能したいなら、そして、時に友人達や家族と一緒に、クルージングに出かけたり、泊まったりする事も考慮するなら、このパフォーマンスクルーザーがピッタリです。両方の使い方にちょっと高いレベルで味わう事ができます。

でも、もし、シングルハンドを重視されるのであれば、もちろん、デイセーラーがお薦めです。パフォーマスクルーザーでも可能にする事はできますが、気軽さの点で言えば、それ用のデザインされたデイセーラーの方がやり易いと思います。これでも、少人数のショートクルージングぐらいは十分こなせます。下の写真はフライヤー33のキャビンです。シンプルですが、充分ではないかと思います。




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