第五十六話 旅好き


      

私の地元、福岡には、太宰府天満宮があって、年がら年中、遠方からの観光客でいっぱいです。でも,
我々地元の人間はあまり行くことは無い。その代わり、遠方に行きます。恐らく、太宰府に来る観光客の地元でしょう。この様に、旅は遠い程ありがたい。

しかし、これをヨットで行く旅となると大変です。何日もかけて走る事になります。もちろん、その長旅の情緒も捨てがたいのですが、準備もあるし、長い航程になればなるほど、時化に合う可能性もあり、足止めをくらう事もあります。それがまた旅の面白さでもあるのかもしれません。

でも、もうひとつの方法があって、興味のある地にヨットを置いておく事もできます。そこに飛行機で飛んで、現地でセーリングしたり、近場をクルージングしたり、それに、別荘としてのヨットも成立します。例えば、長崎なんかですと、多くの島があり、旅として見る場合、実に変化に富んで面白いと思います。それにマリーナ保管料も関東に比べたら、とっても安価ですから、飛行機代ぐらいすぐ出ます。

そして、何年か経って、他に行きたくなったら、保管場所を移動させても良い。遠方から見ると、長崎に置いておこうが、福岡や鹿児島に移動しようが、何ら躊躇は無くなります。そして、その新しい場所でセーリングや旅を楽しむ事ができます。実際にこれを実行されている方々もおられます。これが、例えば、アメリカなんかになると、フランスに置いてるとか、シンガポールとか、この間行ったトルコにもアメリカ人のオーナーが居たりしました。これに比べたら、東京と長崎なんて、すぐそこぐらいのものかもしれません。彼らとは、距離感が違うのかもしれませんね。

つまり、旅は、地元から、遥か遠くを目指して行く旅と、現地にヨットを置いておいて、そこで楽しむ旅と二つの方法があり、どちらを選択しても良いのですが、後者の方法もあるという事を知って頂きたいと思います。また、ある方、日本一周をされた時、その航程の中で、何度も自宅に戻って、またその後続きをするという方法でした。これもありですね。そう言えば、スイスから来ていた人は、半年旅しては戻り、仕事を半年やって、その後、また旅の続きをするという人も居ました。やり方はいろいろありますね。

ヨットの旅は計算できませんし、それだけに時間的な制約はできるだけ排除して、たっぷりの時間でやりたいものです。写真のヨットはTES28というクルージング艇、シングルでも、何人かとの旅でも十分な居住性があります。ですから、どこか遠くに置いてという旅なら、とっても取り扱いもしやすくて,、気軽で良いと思います。これで、日本一周ももちろん可能ですが、長距離を走るなら、やはりでかい方が楽です。最近のでかいヨットでも装備さえ整えれば、取り扱いはし易くはなってきましたので、現地ヨットにしても良いかもしれません。そうしたらでっかい別荘という見方もできます。



どうやって旅を楽しむか?どんな旅がしたいか?もっと柔軟に考える事ができれば、人生、もっと面白くなるのではないかと思います。


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