第八十三話 ハルラッピング


      

どこの造船所も標準のハルカラーを白とするのが一般的です。そこで、ハルカラーをネイビーとかグリーンとかに変更したい場合は、オプションで変える事ができます。その場合、ゲルコートで塗装するか、オールグリップかとかになりますが、この二つの塗料の違いは、以前にも記載しましたので、ここでは記載しませんが、最近ではもうひとつ別の方法を取る造船所も出てきました。

このビデオではハル全体を特殊なビニルでラッピングする方法です。聞くところによりますと、ラッピングに傷がついても修理は簡単なんだそうです。それに、将来、これを剥がしたら、ラッピング下の本来の塗装は新品の時の様に現れてくるそうです。このラッピングは保護膜の役目もしている事になります。さらに、実際に標準カラー以外で塗装する場合の価格より、随分安くあがるとの事でした。

日本で、このラッピングをやる会社があるかどうかは知りませんが、少なくとも、車のラッピングは結構あるようですので、聞いてみても良いかもしれません。欧米では、結構やってるようで、もし、海外にヨットを発注される場合は、造船所に聞いてみては如何でしょうか?

このビニルには印刷する事もできるとかで、好きな文字や絵柄を印刷して貼り付ける。今やヨーロッパ、アメリカではかなり広がってきている様です。ひょっとすると、これからはハルをいろいろな模様をデザインするのが流行るかもしれません。そうすると、塗装では費用がかかり過ぎたのが、安くできる事で可能性としてはあえるかと思います。 

海外では、いろんな物が出てきて面白いですね。世界のどこかで、いつも誰かが新しいアイデアを創造しています。それもこれも市場が大きいからできる事であります。ですから、海外の発表会でもあるボートショーなんかは、行くべき価値があると思います。と言いましても、私、最近は行っていませんが。

以前、ご紹介しました人工チークデッキ、プロペラの無いジェット水流を使ったスラスター、その他、カスタムヨットでご紹介しましたジブハリヤードのテンショナーやメインシートトラックコントロール等々、特に艤装品に関しては、進化が目覚ましいです。これらは、日本での展示では出てこないだけに、海外ボートショーは行く価値あると思います。今年のボートショーはどうなるかな〜?



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