第九話 旅好き


      

いやいや、旅が好きなんだと言われる方、セーリングもするが、第一の目的はあっちこっちに旅をして、旅先の情緒を味わいたいという方、こういう方にお薦めなヨットは二種類あります。クルージング艇とパフォーマンスクルーザーです。どちらも、旅を十分にこなせます。このヨットの違いはセーリングパフォーマンスの違いです。

この場合、どちらも旅をするには十分です。それで、選択は旅以外のセーリングをどう考えるかになると思います。旅好きと言っても、しょっちゅう旅ばかりしているわけでは無いと思いますが、その旅の間にするセーリングをどう考えるか? いわゆるピクニックのみならクルージング艇で十分ですが、時には、セーリングも堪能したいという事であれば、パフォーマンスクルーザーがお薦めです。

この中で、シングルによるクルージング想定があるなら、小型のサイズをお薦めします。今時のヨットはスラスターや電動を使えば、どうにでもなるかもしれませんが、そこは人に寄って異なります。ただ、造船所側として、このようなクルージング艇、パフォーマンス艇に対して、シングルでと謳っているヨットはありません。そこで、可能なのは、小型サイズ、弊社ではTES28というクルージング艇をお薦めしています。

昨今のヨットは以前より船体が大きくなっていますから、居住性も十分、この28フィートも、かつての30フィートに匹敵する様な居住性を持ってます。また、このサイズですから、シングルも問題無いと思いますし、実際にシングルで運営されています。

パフォーマンスクルーザーの場合でしたら、アルコナ345が最小サイズで、これもシングルが、慣れれば可能でしょうが、できれば二人、二人いればもっと大きなサイズでも支障はありません。アルコナは、パフォーマンスを重視していますが、キャビンもかなり造り込んだヨットで、ロングの旅にも対応できます。

さて、この様に、ヨットでは、セーリング好きと旅好きとおられて、加えて、ヨット泊をどの程度まで想定するかという事で、どんなヨットが自分に合うのか? ヨットは、世界中にたくさんあって、どのヨットがどうだという前に、自分が何を求めるかを考える方が重要です。それさえ解れば、それに対応するヨットがあります。ただ、考えると、あれもこれもと考えてしまい、実際は使わなかったとかあるものです。ですから、核となる軸は何かさえ捉えておけば、その他は引き算方式で、削って行く方が良いような気がします。

セーリング、旅、泊り、宴会、別荘、使うのはだいたいこんなもんでしょう。そこから何は不要とか、或いはちょっとで良いとかです。何しろ、ヨットはどんなでも大抵の事はできます。ただ、それぞれに得意分野というものがあります。




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