ピクニックは誰もがするヨット遊びのひとつだと思います。クルージング派の方々でも、普段はピクニックする事が頻度で言えば旅よりも多いのではないでしょうか？だとするなら、そのピクニックをもう少し重視しても良いのではないかと思います。ピクニックセーリングは気軽なヨット遊びの、ある意味基本かもしれません。

ピクニックと言えば、和気あいあいで楽しくセーリングを楽しみます。会話が弾み、飲んだり食ったりして、その陸上では味わえない環境、雰囲気をもって、天候さえ恵まれれば、楽しく無いはずが無い。そして、そこに時折良い風が吹いてきたら、ヨットはヒール角度を増し、快走していきます。そうなると、少しエキサイティングになり、みんなの感心はおしゃべりからセーリングに移る。

こうなると、ピクニックでは無くなりセーリングとなり、少し緊張感が走ります。舵操作をする人は操作に慎重になり、セールの角度や形状も気にしたり、その快走を存分に味わう処に集中していきます。こんな事を何度も繰り返していきますと、やがて風とセーリングの関係について考えるようになってきて、回を増す毎に理解が深まっていく。そうすると、そのうち、良い風だけでは無く、軽風においてもセーリングを感じる様になり、軽風での走りも気になってくる。

先日のピクニックでは、まさしくこれと同じ事があって、最初は軽風でゆったり走っていたものの、やがて風が上がって、ヨットがヒール角度を増して快走をみんなで楽しんだ。少しの緊張と興奮度が高まり、みんながセーリングに集中していた。しかし、そのうち風が弱まり、スピードは落ちてきたものの、さっきまでの快走の続きで、集中度はあまり落ちては行かなかった。そして曰く、風の弱い時の方が難しいな～との感想を持たれた。風が弱い時は繊細になります。

こうやってひとつのピクニックには楽しさとセーリングに対する面白さが存在します。ピクニックは誰もが楽しめる遊びですが、セーリングになった時、せっかくの経験から、その次の機会に、自分達がどう変わっていくのかが、その後に影響をもたらします。それで、ちょっとだけでも、これを機会にセーリングについて学び、解っていく事を意識すれば、誰でも、近場で、短時間に、ピクニックの楽しさとセーリングの面白さを体験できるのではないかと思います。

ヨットが動けば良いというレベルでピクニックを楽しむ事ができますが、セーリングについて、少しでも意識が向かうと面白さを体験できる。是非、両方を普段の使い方として、それを軸にすると意識されては如何でしょうか？遠くへ旅するだけが面白さでは無いし、速く走るだけが面白さでも無いし、面白さは、意識さえすれば、そこかしこにあると思います。それを自分で掘り起こしていくというヨットライフの創造も良いんじゃないでしょうか。

現代のヨットは、いろんなタイプがあり、装備も優れています。後は、使う側の意識や態度次第で、どうにでも楽しさや面白さを創造できるのではないでしょうか。つまり、もし、楽しくない、面白くないのは、自分のせいと言えるかもしれません。