第二十話 妄想


      

デイセーラーというコンセプトは日本ではあまり受けが良いとは言えません。その一番の理由がキャビンが狭いという事だろうと思いますが、殆ど寝泊りしないのに、そんなにキャビン要る?それに寝泊りできない程、狭いわけじゃ無い。

さらに、ロングクルージングに行ける人は少ないし、多くの方々が近場で過ごす。それならセーリング性能が高い方が面白いんじゃないかな〜。ピクニックにしたって速い方が面白いだろうし、デイセーラーのキャビンは狭いけれど、コクピットは広いんです。

キャビンは、如何に使えば活きてくるか?考えなくても簡単で、家と同じ様に、寛いだり、寝たり、食事したりです。それを頻繁にするのが欧米人なので、その需要を満たす為に、特に、大手造船所はキャビン拡大、拡充にしのぎを削ってきた。つまり、沿岸クルージング艇はキャビンの快適性を充実させてきた。それを使わない日本人は、その恩恵をあまり享受して来なかった。

それで、ありもしない事を想像してみると、そういう日本市場に対して、デイセーラーというコンセプトのヨットは実に日本人に合うので、日本国内で建造してもらいたいぐらいです。25〜30フィート前後ぐらいのデイセーラー、ピクニックに良し、セーリングを楽しむにも良いし、近場の1泊2拍程度の短い旅にも良い。日本人にピッタリじゃないか。

もちろん、遠くの旅を目指す人はクルージング艇でも、パフォーマンスクルーザーでも良い。それぞれに異なる性質を持つヨットですから、使い方が違えばヨットも違う。そして、近場が最も多く、遠くになる程、行ける人は少ない。という事は、デイセーラーや小型艇がもっと広がってしかるべきではなかろうか。

そんな妄想のような話。でも、意外にそう的外れでも無いような。上のキャビンの写真を見ると、広いとは言えないが、充分じゃないか?下の写真を見ると、クラシックとモダンがうまくミックスされている。細かく言えばいろいろあるが、ヨーロッパクラシックの優美ささえ感じます。


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