第二十三話 セール面積/排水量比の20 という目安


      

あくまで独断ですが、セール面積/排水量比が20を超えてくる辺りから、セーリングに速さを感じ始めてくるのではないかと思います。それで、それ以下のヨットならば、軽風時に少し重さを感じるかもしれない。だからこそ、そういうヨットには軽風用としてコードゼロをお薦めしたいと思います。

最近では、以前にも紹介しましたが、コードゼロも進化を続けており、コードゼロ的ファーリングでありながら、ジェネカー的な要素も持ち合わせるセールが開発されてきています。ノースセールではHelix Code Zeroと言って、ファーリングの重いトーションロープを無くしたコードゼロとかジェネカーとか言ってますが、セールのラフ部を中心に巻き込むスタイルで、これは以前ご紹介したワンセールと同じ考え方です。上りから下りの範囲がより広く使えるようです。但し、あくまでクルージング用です。上りラフにテンションをかけてストレートにし、ダウンウィンドではテンションを緩める。巻くときはもちろんテンションをかけて。

SADRが20以下でも、これを使えばぐんとセール面積が大きくなりますから、軽風でも走る。20以上のヨットなら尚走る。但し、当たり前ですが、強風には要注意、微軽風用です。強風ならジブで良い。これでセーリングの幅がかなり広がり、吹かない時でも、それなりの対応ができる事になります。

但し、ファーリングなので、フォアステーから前側に最低でも30cm以上は前に設置しなければなりません。ジブファーラーとの干渉を避ける為です。という事は艇によってはバウスプリットが必要になります。最近の新しいヨットですと、そういう設定がありますが、以前のヨットですと、後付けバウスプリットという事になると思います。

上記のセールにはUVカバーも設置しているとの事。それで、上げたままでも良い。とは言っても、やはり強風なんかもあるだろうから、乗らない時は下した方が無難かと思います。ラフにテンションをかけたとしても、ジブファーラーのアルミフォイル程安定しているわけでは無い。それで、今後にもうひとつ望みたい事は、こういうセールをジブファーラーの様に、上げっぱなしにできるようになれば最高だと思いますが?

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