美しさの感覚はそれぞれではあるんですが、でもこのヨット、美しいと感じて頂ける方々は少なくはないのではないかと思います。今時、どうしようもない様なヨットなんか無くて、どれもがちゃんと走れるし、それゃあ、外洋とか沿岸とかの違いはありますが、それぞれのコンセプトにおいては、性能違いはあってもどれもがちゃんと走れます。

では何が違うかって、ひとつは品質、品質が高いと同じセーリングでもフィーリングが違ってきます。その高い質のフィーリングを重視するか否かは各人次第で、品質が高いと値段も高いのが常識でもあります。二つ目は、このデザイン、美しさです。これはデザイナーのセンスの問題、好き嫌いの問題、こうでなければならないという様なものでは無く、そのデザイナーのセンスが好きかどうかではないかと思います。そして、先程も書きましたが、今時のヨットはどれもちゃんと走りますから、この好きなデザインで選んで良いんじゃないかと思います。

このヨットはデイセーラーですから、例えば大航海を考えている人は、これが美しいと思ったとしても、選ぶ事は無いと思います。どうみたってクルージング艇には見えません。極端な言い方をすれば、細かな性能なんて考える必要は無い。セール面積排水量比で判断しても良い。何故なら、その数値データでデザイナーの意図したヨットパフォーマンスがわかりますし、他の部分もそれに比例させています。それで、この数値を見て、他はコンセプトと価格とデザインさえ見れば良い。少々極端な言い方かもしれませんが、そのぐらい思っています。何が最も琴線にふれるか？　デザインが醸し出す情緒的な表現なんかも重要だと思います。

良いヨットとは何か？　自分が惚れ込んだヨットこそ世界最高のヨットです。ある人が言いました。ヨットは彼女と同じで、どんな女性を彼女にしたいか？　人間の性格はまた難しい処があるかもしれませんが、ヨットはコンセプトさえおさえておけばいい。そして、一生付き合えるかどうかは付き合ってからじゃないと解りません。