第八十四話 イーグル38


      

前話の粋なヨットとは違い、これにはキャビンがありますからウィークエンドクルージングを含めたデイラーです。38フィートと言っても、そこはデイセーラーですからクルージング艇の様なボリュームから来る圧倒感は無く、気軽に取り回しができると思います。

全長:11.77m(38’7”) 幅:2.60m(8’6”)、吃水:1.25m(オプションにて1.85m)、
排水量:3,800kg、バラスト:1,350kg、標準セールはノースのNPCクロスカットNordac(オプションにてノース オーシャン 3Di 330) メインセール:33.4u、ジブ:26.4u(105%)、セール合計:59.8u セール面積/排水量比:24.9、マストの高さ:水面からマストトップまでで13.80m、ハルとデッキはGRPビニルエステルバキュームインフュージョン工法、エンジンはボルボ12HP(オプションで20HP)セールドライブ、デッキはパーマチーク(人工)、オンデッキマストが標準です。

標準仕様でも充分なんですが、楽にと思えば各ウィンチの電動化、さらにジブのファーリングシステムも電動化する事もできます。また、バウスプリットを設置する事無くファーリングのジェネカーやコードゼロを設置する事も可能です。さらに、ブームバングとバックステーを油圧式にすれば、ステアリングのすぐ横で殆どの操作をする事ができるようになります。どこまでするかはオーナー次第ですが、マニュアルでも良いし、プッシュボタンセーリングも可能です。




このヨットは前後に長いオーバーハングを持ち、その事によって昔のJクラスボートを思わせますが、水線から以下はモダンなデザインですからセーリングパフォーマンスは舵効き、レスポンス、スピード等は最新のものです。いわゆる現代のクラシックヨットという事になります。

美しいヨットを美しく走らせる。それをシングルで容易に操作する事ができる。イーグル38はこれに尽きます。クルージング艇はキャビン拡大競争をしてきましたが、一方で、そのキャビンをあまり使っていないという方々も少なく無いという報告もあります。そういう方々はどうするのか? レースとかセーリングとかピクニックとか、忙しい方々には特に、ちょっとした時間で楽しめてリフレッシュできる乗り方が支持されています。海外ではレースしないからと言ってでかいキャビンのクルージング艇ばかりが支持されているわけではありません。レースでなくても、セーリングだって本気でやれば面白いのです。


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