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バブルの頃に多くの新艇が進水しました。そのバブルがはじけて30年、それから徐々に新艇の進水数が減少してきてさらに昨今の円安が追い打ちをかけてきました。という事で当然ながら中古艇への注目が集まってきます。その中古艇を見ると30年〜40年と古いのが当然あります。
FRPという素材は半永久的と言われましたが、実際はそこまで時間が経過していないので解りませんが、でも実際に古いのでもFRPは問題が無い事が経験的に解ってきました。この先いつまで持つかという疑問は当然浮かんでくる疑問ですが今の処劣化して心配すべき状況にはなっていません。一方で言われる事は100年持ちますという話も出ています。これを実証するには100年経過しないと証明はできませんが、少なくともオーナーより長生きだ。但し、メインテナンスがその鍵である事は間違いない。
一般的に昔のヨットは結構頑丈です。でも今のヨットに比べると重い。現代のヨットは素材、工法が変わってきて軽量化を図ってきました。ところが一方で船体ボリュームが大きくなってきたせいでトータル重量は軽くは無いどころか重い。昔と同じデザインで建造するなら軽くなったのでしょうが船体が横幅、高さともでかくなりました故に重くなった。30年ぐらい前のある30フィートヨットが4トンの重量があったヨット、なんでそんなに重いいんだと言われた事がありますが、今の30フィートはもっと重いんです。クルージング艇なので少々重いぐらいの方が良いんです。一方、パフォーマンスヨットは軽くなりました。
クルージング艇に限って言えばパフォーマンス的に多くを求めるわけでは無いので現代のヨットでも昔のヨットでも問題は無い。キャビンの広さが違うだけで現代のヨットの方が当然広い。でもデメリットもあってボリュームがでかすぎると感じる方もおられる。風圧面積も大きい。そこでバウスラスターなんかが増えてきています。昔のヨットは比較的幅は狭く、高さも低い。当然ながらキャビンも狭くなる。個人的にはそれでも全然問題無いとは思いますが。
そこで中古艇の価値ですが、まずデザイン。優れたデザインなら現代でもなんら遜色は無い。違和感が無い。好みの問題もありますので一様には言えませんが、この点は感覚的に気に入るかどうかです。次にメインテナンスの状態です。その状態によっては修復の費用に大きく影響を与えます。でも、どうにでもなる事は間違いありませんので費用の問題です。
造船所は船体しか造っていません。その他の艤装、マスト、セール、ステイ、ロ――プ、エンジン、トイレ、シンク、ガスコンロ、ステアリング、ストッパー、ウィンチ等々殆どが外部メーカーからの調達品です。そしてこれらは取り換える事ができます。船体さえしっかりしていれば艤装品は新しいのに取り換える事ができます。よって費用の問題という事になりますので、できるだけメインテナンスの良いヨットを見つける事ができれば、その分費用が抑えられるという事になります。例えば、40年、50年経ったヨットでも新艇の様にピカピカにする事も可能です。
そこで中古艇の価値を決めるのはメインテナンスが重要である事は皆が納得する処です、そしてデザイン。気に入ったデザインを見つける事ができればラッキーですね。後は如何様にも料理できます。もっと言えば、メインテナンスは費用さえかければどうにでもできますが、デザインばかりは変えようがありません。という事は価値はデザインにありと言っても良いのかもしれません。しかしながらそれより問題は市場がどう考えるかかもしれませんね。
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