第一話 当社のコンセプト
| ヨットには造船所のコンセプトがあるように、我々業者も何がしかの考えはあります。 それがコンセプトです。たいそうな物ではないんですが、まあ、こういうのが好きだと いうところから出発しています。 基本的にはこれまで書いてきた通り、セーリングを基本とするという事です。セーリング は楽しいという次元では無く、面白いという事です。この二つに微妙にニュアンスが異な る。前者よりは”面白い”の方が一歩前に出る積極性が感じられます。セーリングは面白 いものでなければなりません。実際、面白いのです。ビール飲みながら、テレビの前に ひっくり返って、好きなスポーツや映画を見るのも楽しいですが、これも面白いですが、 セーリングの面白さは積極的に自分が参加して、もっと先へ進んでいこうという、もっと 積極的な面白さです。楽しさはたまにあるから楽しいんであって、毎日では楽しさが薄れ てくる。でも、面白さはさらに突っ込んでさらに面白くなる。ですから面白い物はしょっちゅう 関わりたくなる。 セーリング以外の楽しさもヨットにはありますが、たまに味わうには良い。でも、毎日となる とどうか、その点、セーリングはもっと、もっとという事になっていきます。積極的に真剣に 走ればそうなってきます。 そこで、当社のコンセプトはセーリングを第一と考え、いかにセーリングを面白く味わうか、 わくわくするような感覚、興奮、しびれるような感覚、スリル、無心、そういう感覚を求める こういう感覚は、得た経験は一生残ります。ヨットならではの感覚を得て頂きたい。そういう 観点からすると、どんなヨットが良いのか、と考えます。もちろん、どんなヨットでもその気に なれば、そのヨットの最高の性能を引き出すつもりで走れば、それなりに面白さを感じる事 はできる。でも、もっと乗り易いものがある。 そして、ヨットは美しい物でなければいけません。デザインはそれぞれ違っていても、それぞ れに美しさが必要だと思います。非常に主観的ですが、美しいヨットは、まずそのヨットを 気に入る大きな要素になります。何といっても気に入る事、それがたとえあばたもえくぼで あっても、気に入る事です。性能より、何より、気に入る事。気に入ったヨットで、美しくセーリ ングしましょう。滑らかに、エキサイトに。 これらを支える為に、ヨットはしっかり造られねばならない。車と違って何十年でも乗れるのが ヨットです。それに舗装道路を走るわけではないし、塩もある。環境的には厳しいですから、 それに命を預けるヨットでもある。やわなヨットより、しっかり建造されたヨットは乗っていて、違 います。疲れ難い、安心、乗りやすい、サイズの問題ではありませんよ。 最後に、オーナーへのサポートですね。グッドコミュニケーションと情報提供、これをどれだけ できるかによっても、オーナーのヨット運営に関わってくると思います。それがヨット稼働率の 上昇に繋がる。簡単に言えば、全ては稼働率の上昇を目指すという事ですね。オーナーが 面白いと感じれば、稼働率は上がる。これが全てを良き循環に導く最良の方法だと思います。 そうすれば、業者もヨットが売れて、みんなハッピーですから。 |