第五十五話 ヨット人口

最近ヨット人口が少しづつですが増えつつあるのではないかという気がします。全くの新規
という方もおられるし、パワーボートからの転向組みもおられます。共通して言える事は、
皆さんセーリングをしたいという事です。気持ちの良いセーリングをしたい。誰でも、最初は
そう思っているのかもしれませんね。でも、いつのまにかセーリングしなくなるのは何故か?

セーリングを退屈なものにするのは自分自身です。セーリングにある程度で見切りをつけて
しまう。それ以上を望まなくなる。セール上げて、そこそこ走れれば、それ以上、もっと学ぼう
という姿勢が無くなる。恐縮ですが、ベテランの方から、バングはどういう場合に使うのかと
聞かれた事があります。メインシートトラベラーを動かした事が無いという方もおられる。それ
でもセーリングできるのがヨットですが、もう少し進んではどうかと思います。レーサーのよう
にとは言いませんが、極める事の無いヨットですから、少しづつ、今のレベルから常に1歩を
踏み出す姿勢があれば、セーリングはとても面白くなると思います。それは、漫然とセーリン
グしていたのでは出来ない。それでレースなんかに出ると良いきっかけになります。その姿勢
が身につくと、レースに出なくても、良い走りをしたいという気分が出る。そうすると、セーリング
無しではヨットは考えられなくなる。ヨットの何が面白いかといって、セーリングが最も面白いか
らです。

アメリカでは毎週、決まった曜日で、決まった時間にスタートするというレースがあるらしい。
参加の受け付けも、その場で行う。事前申し込みなんかありません。コースも短く、2,3時間
程度。こういうレースができると、本当に誰でも参加できて、気楽で良い。夏なんかは、夕方
6:00スタートとか、夕涼みレースなんかやると良いでしょうね。そして、月に1回、月間の優勝
艇を発表する。まあ、レーティングやスタート設定や、いろんな問題はあるかもしれませんが、
そんな事は既成概念にとらわれずに、適当に決める。スタートは桟橋から出すところから始める
とかも考えられるかもしれません。艇の小さい順でスタートするとか。

日本では何かあると主催側にクレームがつきます。でも、こういうレースでは、クレームでは無く
提案し合い、自分達でレースをより面白い物に育てていく姿勢が必要でしょう。主催者も参加者
も同じレベルで、育てていければ、長く続ける事が可能でしょう。日本に必要なのは、何と言って
も気軽さではないかと思います。たいそうな準備が必要だったりすると、疲れてしまう。それでは
年に1回ぐらいしかできません。毎週やるには、主催者側が楽でなければならない。そうであれば
参加者も気楽で、みんなで遊ぶ。話題だ生まれ、コミュニケーションがとれて、活気も出てくる。
活気が出れば、ヨットが動き、自分のヨットを整備したいと思い、ヨットの事を考え、艤装の仕方を
考え、いろんな情報交換の場となるでしょう。

レースがどうかは別としても、何かが必要だと感じられる。みんなヨットを楽しもうと思って購入した
はずですから、どうやって楽しんだら良いか、自由に考えて、誰か仲間と2艇でやっても良い。
それを聞きつけた別のヨットが、俺にも参加させてくれときたら、これは大成功。クラブのメンバー
とか、そんあ事お構いなしに、自由に誰でも参加できる、コミュニケーションの場として何かできれ
ば良いなと思います。

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