第一話 シングルハンド

これまで何度も取り上げてきた話題ですが、もう一度このシングルハンドにつて考えて
行きたいと思います。何故なら、これはヨットの基本であり、最高の乗り方でもあると思う
からです。シングルハンドは一人で全てを操船する事であり、決して一人で乗らなければ
ならないという事ではありません。奥さんでも、彼女でも、子供でも、乗せてあげて、少し
舵でも握らせてあげても良いでしょう。子供は喜びます。でも、何の手助けが無くても、
自由自在にセーリングを操れるようになれば最高じゃないでしょうか。

年取ってから始めるヨット、それでもOKです。過去に一切の経験が無くても大丈夫です。
問題は過去の経験より、今のやる気です。難しい物ではありません。これからは、多くの
方々が仕事を引退した時、何をしようかと考えられるでしょう。そういう時、ヨットはうって
つけです。そして、最初にシングルハンドで自由自在のヨットを操れるようになってほしい
と思います。もちろん、極めるのはとてつもなく難しいでしょう。でも、すぐに初心者レベル
のセーリングができるようになる。後は、回数、経験で、レベルはどんどん上がっていき
ます。すると、そのレベルに応じた面白さが味わえるようになる。そして、その先の奥深さ
も見えてくる。すると、またそこに到達したくなる。到達すると、そこでも喜びがあり、そして
また先がある事がわかる。永遠に楽しめるのがヨットです。毎日、風が違い、波が違い、
寒い時もあれば暑い時もある。

そして1シーズンを終える頃、かなりの上達する事は間違いありません。ヨットは年数では
無い。乗った回数です。だから、全くの初心者でもOKなのです。

年を取ってきますと、無条件で何でも覚えるという事が苦手になります。ですから、何故、
そうするのかを考え、知って、実行すると簡単に覚える事ができます。もちろん、難しい理論
のことではありません。ちょっと聞いて、考えれば、なるほどと思える事ばかりです。覚えて
体感していくと、身になり、それらが積み重なって、財産になる。ヨットは遊びですが、実に
癒してくれます。夢中になれる。充実感も涌き出てくる。でも、その為に、頭だけでは駄目
ですね。実行が必要です。難しい実行では無く、目の前の近場で、たった1時間でも良い。
考えて、実行して、それを感じ取る。人間の要素全てがあります。その最後の感覚が最高
になるよう、そこに集中させます。良い感じを受け取ったなら、それで良いではないですか。
この感じほど大切な物は無いと思います。

近場で、短時間で、最高のフィーリングを得る。これが目的です。ですから、誰でにでもでき
る。但し、その気になった人だけです。

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