第十六話 大きなヨット
40フィートオーバーでもシングルハンドで乗る人が居ます。エンジンと舵の操作に熟練 すれば、狭いマリーナでも実にうまいこと離着岸をこなされる。セーリングにおいては、 オートパイロットを作動させて、その間にウィンチ巻いたり、タックしたり、これも大きい だけに、電動ウィンチにしたりして、とにかく上手にこなされる。大きなヨットは豪快なセ ーリングを味わえて、小さなヨットより速いし、面白い。できる人はこれで良いと思います ただ、私個人はそういう気持ちのパワーが無いので、個人的には、もっと小さいヨットを 自由自在に操る方が好きなのです。そして、できる限りオートパイロットは使わないで、 自分で操作するのが好きなのです。 大きなヨットに電動ウィンチは良いと思います。私も大きなヨットならそうしたい。でも、 小さなヨットで、自分の手でシート引いて、微妙に出して、そういう操作を楽しむのが好き なのです。しんどい思いはしたくはありませんが、かといって何でもスイッチポンでは面 白く無い。それで、できる限り電動機械を使わないで済む程度のサイズ、気楽にマリーナ からの出し入れができるサイズ、舵を片手に、大抵の操作ができる艤装とそういうサイズ これが最もセーリングを楽しめる方法だと思っています。こういう、最も面白い部分を犠牲 にしてまで居住性を良くはしたく無いと思います。 こういうスポーツセーリングはしんどいのか?となりますと、決してそんな事は無い。健康 の為にランニングとかジム通いの方がよっぽどしんどいのです。テレビでスポーツカーを 自由自在に、くねくねした道路を駆け抜ける。そういうシーンと同じです。ヨットで、そういう 自由自在に操れるようになりたいと思います。その為には、そうできると自分で思える サイズが良いと思います。艤装もシンプルに、でも必要と思う物は施し、そうすると自分の ヨットのすべてが解ってきます。自由自在は自分のヨットに精通する必要がある。大きな ヨットに精通するには、相当なパワーが必要でしょう。 そして、こんな自由自在のセーリングを、美しいヨットでしたいというのが夢です。自分で 隅から隅まで知り、整備して、コンディションが解って、磨いて、きれいなヨットできれいに セーリングするというのが理想です。ヨットにはたくさんの機器類が設置してある。それらを すべて把握するには、相当ヨットに関わらなければなりません。毎日、毎日ヨットに接して いる私でも、あまり複雑なのは大変です。そんなエネルギーはあまり使いたく無い。シンプ ルに、でも必要と思う最低限で良い。 自分のエネルギーは自分のヨットを把握する事、整備する事、セーリングする事に分割しな ければなりませんが、1番はセーリングに最も大きくさきたいし、次にそれを可能とする整備 そして、最後にヨットを把握する事。最後の項目が複雑なら、他の項目のかけるエネルギー を割かなければならなくなるので、できるだけシンプルが良いと思います。それで、シンプル にしたとしても、殆ど困る事は無いのです。困る事は何も無い。 |