第七十七話 続き
| ヨットはセーリングするもんだという事を基点に全てを考える。どんなヨットが良いか、 どんな艤装が良いか。もちろん完全はありません。理想的なヨットもカスタムで造る 以外は無理かもしれない。でも、それにできるだけ近いヨットとして考えていきます。 そして、少なくとも、どんなヨットでも、セーリング以外何もできないヨットなんて事は 無いんです。寛ぐ、宴会、ちょっと遠出、何でもできます。ただ最大のポイントを、コン セプトをどこに置いているかでしょう。 ヨットは夢を抱かせると言います。遠くへも行けます。家族でキャビンで寝泊りもでき ます、仲間とパーティーだってできます。そうやって夢を売るのが商売だとも言われま す。例え、そういう使い方をしなくてもです。そんなの要りませんなんて言ってたら売れる もんも売れんよ、とも言われます。わけのわからんセーリングの魅力とか、そんな事 言っても幻みたいなもんで誰も想像できんとも言われます。これらを否定はしません。 しかし、それだけではもったいないので、セーリングをもっと突っ込んでやりましょう。 宴会もしましょう、パーティーもしましょう、でも、セーリングもしましょうという事です。 売る為には、キャビン広いでしょう。と言うのが最も効果的かもしれません。見た目で 解り、想像できる事です。でも、本当の魅力はセーリングにある。これは間違いないと 思っています。 セーリングを堪能するにはどんなヨットが良いのだろうか？それを考え続けてきました。 もちろん、パーフェクトというわけにはいきませんが、少しでも乗りやすいヨット、シングル でも操作し易いヨット、そういう事を考えています。みなさんも是非、そういう意識でヨット を見直してみてはいかがでしょうか。経験のあまり無い方は考えられないかもしれません が、少なくとも重心は低い方が良いとは想像できるでしょう。シングルなら、いろんな物に 手を伸ばせば届く方が良い事も解る。経験者は実際に自分が操船している光景を想像 して、体験から来る想像で、どうであれば使いやすいのか、セーリングに限って考えて みてはどうでしょうか？それが出てきたら、自分のヨットをそういうヨットに改造していく 事も可能です。 今やドジャーがあり、ビミニトップがあり、コクピットにはテーブルがあり、メインシートトラ ベラーは遠くに追いやられ、広すぎるコクピットは不安定で、重心も高い。これらは全て セーリングをするという事以外の便利さに集中されています。それらがみんな悪いとは 言いませんが、今度は逆にセーリングを中心とするとしたら、どんな物がどこにあれば良 いか考えてみてはどうでしょうか？そのふたつのどこかで妥協点を見出さなければなり ませんが、それを自分で意識して決める事です。そうすれば自分がどんなヨット運用をし たいのかが意識されますから、それが自分の最も楽しめる方法かと自問してみるのも 良いでしょう。 何度も言いますが、ヨットは何の役にも立たないものです。ですから、思いっきり自分の スタイルを堅持できるものです。何かの役に立たせるなら、自分の好みばかりには行か ないかもしれません。でも、ヨットは自由自在なのです。ですから自分のスタイルが造れる それを実行しない手は無いでしょう。それが最大に楽しめる方法なのですから。 |